Lapiz2017冬号から《編集長が行く・五日市憲法草案の故郷訪ねる》:編集長 井上脩身

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―奥多摩に芽生えた明治の民権思想―
 10月に行われた衆院選で自民党が圧勝し、憲法改変問題が現実化してきた。安倍晋三首相は、選挙前に示した憲法9条に自衛隊明記するとの公約について、「国民に支持された」として、政治スケジュールに乗せようとするだろう。だが、問題は自衛隊の存在の明記にとどまらない。「現憲法はGHQの押しつけ」として2012年に公表した「自民党憲法改正草案」(以下、自民党草案)に基づく憲法に変えることへのワンステップに過ぎないと思われるからだ。自民党草案は、「国民の責務」として「自由と権利は責任と義務を伴うことを自覚」せよ、とするなど上から目線で国民の基本的人権を縛る構造だ。では、戦前の国民は自民党草案のような国家主権の憲法を望んでいたのであろうか。私(筆者)は1881(明治14)年に「五日市憲法草案」と呼ばれる私擬憲法が起草されたことを最近になって知った。自由と平等を基調とした憲法案だったという。五日市は、現在は東京都あきる野市に属する奥多摩の山あいの里だ。私は10月末、五日市を訪ねた。 “Lapiz2017冬号から《編集長が行く・五日市憲法草案の故郷訪ねる》:編集長 井上脩身” の続きを読む

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