宿場町 中山道 坂本宿 一茶定宿の山あいの里 ―妙義山と碓氷峠に挟まれ―  井上脩身

私(筆者)は登山が趣味だ。この夏、山岳写真集のページを繰っていて、奇妙な形の山に目が留まった。のこぎりのようなギザギザの稜線がある一方で、とんがり帽子のような峰が単独でつったっていたり、戦国時代の砦のような峰もある。妙義山。標高は1104メートルと高くないが、風変わりな山容から、日本三大奇景の一つとされている。この山の北側を中山道が通っていて、そこに坂本宿という宿場があった。坂本宿は碓氷峠(1190メートル)の東約5キロの所に位置している。江戸から信州に向かう旅人が峠への上りを前に妙義山の奇岩を目にしたとき、どのような思いにかられたのだろう。秋のある日、坂本宿を訪ねた。 “宿場町 中山道 坂本宿 一茶定宿の山あいの里 ―妙義山と碓氷峠に挟まれ―  井上脩身” の続きを読む