Lapiz2019夏号「とりとめのない話」中川眞須良

Walking(ウォーキング)

 この言葉・国語辞典では「歩くこと・特に健康増進や運動のために歩くこと」・英和辞典では「散歩・バイキング・競歩など」と
簡単に解説しているが我々の日々日常生活の中で、この行動の広さは無限です。
個人・グループ・法人が企画、開催する多種多様な「歩く催し」が全国で数多く行われている昨今、ここで以前私が参加した少しユニークな、思い出に残る「歩く催し」の一つを紹介しましょう。

                記

1 主催 (財)全国青少年交流協会
1 名称 「全国33キロメートル飲まず食わず勝ち歩き大会・大阪大会」
1 場所  淀川河川敷
       スタート 大阪西中島南方、河川敷
       ゴール  京都山崎、日立製作所グランド
1 概要  ・当日、スタート会場で参加申込み、
     ゼッケンを受け取る
      ・条件、スタートからゴールまで飲まず食わず、走らず
      ・スタートから10キロメートル地点まで、数人の先導員がつく
      ・途中、二カ所のチェックポイント(救急担当員待機)
      ・ゴールにて、テント内に医療班完備(救急車待機)
      ・完歩者全員に「完歩証明書」交付
      ・参加人数  300から400人以上

1 参加者との途中の短い会話
      ・会社の同僚か、にぎやかにしゃべる3~4人の男性グループ・「頑張って下さい、お先に行きます」
      ・ペット(犬)と一緒に一人参加の中年女性
         「もっとゆっくり、まっすぐ歩きなさい」と2、3度繰り返しながら、、
      ・普段着(ブレザーに黒の革靴)のまま、ラジオを聞きながら、こちらも一人参加の中年男性「軽い服装ですねぇ、、」の私の問い掛けに、全く の無言、無視
      ・揃いのユニフォーム姿の女子高生らしい7,8人のグループ
         「女子校のバレーボール部、一年生です、全員強制参加です」お互い、「こんなの聞いてなかったよねえ、、」
      ・京都市内の同じクラブの大学生数人
         「5時間半を切れなかったら大変、来年も参加さされます」
         私に、学校名・クラブ名を聞く余裕なし
      ・第2チェックポイント(25キロメートル地点)の参加者と係員の会話
         参加者、、「靴擦れで足がいたくてもう限界」
         係員、、「ハンケチを靴の底に敷けば楽ですよ、ゴール後、治療を受けてくださいね、はい、頑張って・・・」
      
 この第2チェックポイントあたりから、のどの渇き、空腹、疲労などから会話はほとんどなくなり、ペースもスロウダウン、私も足腰の痛みを必死でこらえながら、「ゴールまであと1キロメートル」の表示地点で時計を見ればすでにスタート後、5時間を少しすぎていた。その地点からゴールまでのことは「苦しかった」以外なにも記憶にない。しかしゴール後の2つの記憶だけは鮮明だ。
それは全員に配られた小さな一つの牛乳パックの味、最高。もう一つはトップの人と、そのタイムだ。なんと私より約、2時間も速い3時間13分、元オリンピック競歩選手であったとか・・・・・。

今もどこかでこの様な楽しい?「歩く催し」が開催されているのでしょうか。