Lapiz2019夏号 旅するカメラ「1200体の羅漢像に囲まれた愛宕念仏寺」片山通夫

 愛宕はオタギと読む。オタギネンブツジである。愛宕念仏寺の所在は少し南に有名な化野念仏寺がある京都・嵯峨野である。歴史は古い。同寺のホームページによると次のとおりである。
奈良時代・天平神護二年(766)に、聖武天皇の娘の称徳天皇によって現在の東山松原通の地に寺が建立されます。 当時はこの地を、山城国愛宕郡(おたぎごうり)と言いましたが、この寺も愛宕の地に最初に建てられたので愛宕寺と名付けられました。
愛宕はアタゴと読むのだろうが、このあたりを当時は山城国愛宕郷(オタギゴウリ)と呼んでいたとかでオタギ念仏寺と読むようだ。

 さてこの念仏寺も化野念仏寺と変わらず仏様(羅漢)が数多おられるので写真で紹介したい。化野念仏寺の石仏は古来この地が葬送の地で風葬が行われていたといわれているが、その後土葬となって石仏を祀るようになった。

 愛宕念仏寺は戦時中は住職のいない荒れ寺だったが1955年に仏像彫刻家 西村公朝(1915-2003)が住職に着任し寺の復興がはじまった。1978年からは境内全体の復興を始まり、この時1200体の羅漢像で境内を満たしたいと発願し賛同した一般市民の参加して現在に至っているという。