Lapiz2019秋号は9月1日発行です!

breath of CITY  北博文

主な記事

巻頭言 井上編集長
三匹が撮る! サハリンの二人と日本の一人の写真
カバーストーリー サハリンから韓国へ永住帰国した男の物語
breath of CITY  北博文
徒然の章 中務敦行
随想 安部退陣へ 渡辺幸重
ドローンの世界 ~夏~ 小田真
編集長が行く もくせい号墜落に見る奪われた空 井上編集長
大阪ぐりぐりマルシェ 中川眞須良
歴史の街を行く スサノオ追跡 片山通夫 などなど

Lapiz2019秋号の表紙が決まりました。

 秋号の表紙を飾るのはサハリンから永住帰国された Be En Dyun さんです。

ユジノサハリンスクのガガーリン公園で。

連載 アカンタレ勘太<2>
三匹が撮る!
徒然の章
歴史の街を行く《スサノオ追跡》
その他

スサノオ追跡《 新羅の国・曾尸茂梨から出雲へ》

素戔烏尊率其子 五十猛神 降到於新羅曾尸茂梨之處矣 曾尸茂梨之處 纂疏新羅之地名也 按倭名鈔高麗樂曲有蘇志摩利 疑其地風俗之歌曲乎 乃興言曰 此地吾不欲居 遂以埴土作船 乘之東渡 到于出雲國簸之河上與安藝國可愛之河上所在鳥上峰矣

 スサノオは子のイソタケルを率い新羅の曾尸茂梨(ソシモリ)に降りた(曾尸茂梨は新羅の地名である。倭名鈔(和名類聚抄)の高麗樂曲にある蘇志摩利(ソシマリ)はその地の風俗を歌う曲である。)スサノオが言うにはこの地に私は居たくない。埴土で船を作りこれに乗って東に渡り出雲国の簸之河上と安芸国可愛之河上にある鳥上峰に至った。

註:『和名類聚抄』二十巻本第10卷にある蘇志摩利の記述を引用した『先代旧事本紀』

 当時、朝鮮半島・新羅の国に曾尸茂梨(ソシモリ)というところがあり、スサノオはいつの間にかできた息子イソタケルを伴って高天原から降り立ったが「ここは自分のいるべき場所ではない」と土船を作って出雲に漕ぎ出したというのである。ただ現在のところ、ソシモリの正確な場所は確定できていない。ただ不思議なのはせっかく降り立ったソシモリが自分のいるべきところではないと結論付けたことだ。無論日本書紀という倭の国の書物なのだから、早々に出雲に来てもらわなければならないのだが。

 筆者の推測だが、この頃の新羅=朝鮮半島では鉄器が使われていたはずである。青銅器に勝る鉄器を作る技術を輸入したい倭の国はスサノオをして出雲に移動させたと思うわけである。

 今一つ面白いのは「埴土で船を作り」の部分である。埴土とは粘土質が50%以上含む土であり、排水や通気性が悪いという。つまり水を通さないから船には適しているというわけだろう。もしかして砂鉄も含有していいたのかもしれない。