Opinion 《地方の町から悲鳴が聞こえる》  一ノ瀬 明

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  まさに悲鳴という表現がぴったりだ。大韓航空は8月20日、日本と韓国を結ぶ路線を一部が減便・運休になると発表した。
 同社の広報担当者は「需要の変動を考慮した」と説明しており、日韓関係の悪化で、日本と韓国の両国の利用者が減ったことが背景にあるとみられる。
 対象となるのは、運休が関西空港ー釜山間など6路線、減便が成田ー釜山間など5路線。
 また7月には日本の3地方自治体関係者は韓国を訪問、格安航空会社(LCC)であるエアソウルと韓国内主要旅行代理店を訪れ航空路線の維持と協力強化などを要請した。韓国を訪れた日本の自治体は、香川県高松市、鳥取県米子市、富山県などで、すべてエアソウルの就航都市だ。エアソウルの関係者は「日本側で観光客が激減する可能性を非常に懸念している」と語った。エアソウルは、17路線のうち12路線が日本地域で、売上の半分以上が日本路線であるという。また済州(チェジュ)航空やイースター航空も7月に、日本の自治体関係者が協力を要請したことが分かった。

 北海道の新千歳空港では、韓国人観光客をもてなす気持ちを表そうとセレモニーが行われた。北海道と韓国を結ぶ便は8月1日現在、9つの航空会社が週に116便運航している。しかし政府の輸出規制による関係悪化で10月までに半分の58便にまで落ち込むことが見込まれている。

 地方都市の市民にとって、韓国へ行く以外に、世界へ飛び立つには、東京、大阪など大都市の空港へ行かなければならなくなる。ハブ空港のひとつ、仁川空港が遠くなるのは、非常なデメリットだと言えよう。
 政府は下手をすればブーメランになる危険を考慮したのだろうか。無論、事は航空ルートだけではない。北海道の例を見るように、韓国人観光客が激減すれば、地方都市の経済にも大きく影響する。大阪ミナミのたこ焼きにも・・・。

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とりとめのない話「ブラジルの憂鬱」中川眞須良

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 2019年1月、ブラジル大統領に就任した「ボルソナーロ」氏(写真)、改革、革新と言えば聞こえは良いが元軍人で強硬派としての名のほうが、とうりがよいようだ。早速就任早々、大プロジェクト構想の一部を発表したまでは良かったが、すぐに各地、各方面からのブーイングの嵐だ。

 その一大政策とは「アマゾン流域(熱帯雨林)大開発プラン」とでも言うべきものである。
 過去半世紀以上にわたり毎年日本の一つの県面積と同じ自然が消え去り、生態系はもちろん、地球規模で環境の激変が進んでいる事実は全世界周知の通りである。

 しかし今回の政策に対し「聖域に無断で立ち入る暴挙だ」とする声明が一部からすぐに発せられ、広がりつつある。
その「聖域」とはもちろんブラジル全土に点在する、いわゆる先住民居住保護地区である。今回の政策は先住民区の一部が開発で消滅していくことは決して初めてではない。
初期の開発としては、北東部のパラ州、さらに東のマラニョン州、そして新しいところでは、中心都市マナウスの南南西、ボリビア国境近くの区域が開発されさらに奥地へと進みつつある。

 先住民区の歴史として1500年のブラジル発見以来侵略し続けられ、その開発のスピードは発見以前全体の約5~8%にまで減少し、過去200年で235部族、約73万人まで激減の記録が残る。そして今回のボルソナーロ政策の一部は今まではほとんど開発に、手がつけられなかった地区までその波が押し寄せる危険をはらんでいるといわれるからだ。

それらの地区、いわゆる「聖域」とされる一部は

1、ブラジル南部 マットグロソ地方(ボリビア国 境近く)
1、ブラジル南部 ホンドニア地方(ボリビア国境近く)
1、マナウス西部 アマゾナス地方 (ペルー国境近く)
  ジュルアー河、ソリモニイス河流域
1、マナウス西部  国立公園内山間部(ペルー国境近く)
1、特に民区が狭く孤立し情報はなく、人口、環境などの  調査不可能(何百年以上現代文明と接してい  ない  と推測)とされている代表民区
 ・「ジャミナワアララ」先住民区
 ・「ジャミナワ」先住民区      などがある。

 現在の先住民区の総数、約80カ所、その多くがブラジル西部アマゾンの奥地、ボリビア・ペルーの国境近くに集中している。民区によっては州政府などあらゆる交渉の場に代表を派遣している民区もあれば外部との関係を一切遮断し、今なお原始的な生活を営んでいると推測できる民区までさまざまだ。さらに河川流域に広がる比較的広域の民区は情報入手が容易だが、国立公園内等に山間部の狭域の民区は情報入手困難とするデータもある。

 2000年にブラジル発見500年を記念して先住民の環境、人権、保護運動などが開催されそれ以降も
1、ブラジル全国司教協議会(cimi)
1、先住民宗教協議会(ブラジル)
1、熱帯雨林保護団体先住民運動(日本)
などをはじめ、世界の数多くの機関、団体が参加しその運動が継続されている。

 営々と築き上げてきた先住民の文化、その文化環境を守りとうそうとする国民、それらの全てを支援しようとする世界の個人・団体のうねり。
これらの集大成はブラジルの、そして南米の、さらには全世界の宝物である。この宝物とブラジル新政府との立場が対峙、対立の方向に向かわないよう祈るばかりだ。
しばらくは「ボルソナーロ」から、目が離せない。

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