渡来人たちの宴「朱智神社で見つけたスサノオ」片山通夫

辟邪絵(奈良国立博物館)で牛頭天王をつかんで食べる天刑星

京都府京田辺市に「天王」という集落がある。かなりの山間の田舎だ。バスが通っているが2時間に1本程度。筆者はその天王といういう地名にひかれて少し調べてみた。集落の端の山の上に朱智神社という古い神社があるという。京田辺市のいわれの書かれているホームページによると、朱智神社の祭神は迦爾米雷命 建速須佐之男命 天照国照彦火明命となっている。
朱智神社は迦爾米雷命(かじめいかずちのみこ)=(神功皇后の祖父)を主神とし、古代この地一帯に勢力のあった息長氏(おきながし)の祖神を祭っている式内社だとか。天照国照彦火明命は太陽光や熱の神格化だという。
そして我らが建速須佐之男命はあのスサノオであり、迦爾米雷命(かにめいかづちのみこと)とは、牛頭天王(ごずてんのう)のことであり、京都祇園の八坂神社のもとと言われている神社がここ朱智神社である。祇園祭の時朱智神社の氏子が報じた榊を天王集落の若者が八坂神社まで届けるという「榊遷」という行事があった。今はないけど。

スサノオは高天原を追われた。日本書紀の「一書(あるふみ)に曰く」によると、朝鮮半島のの新羅に降り立ったことになっている。新羅には牛頭天王が祀られていた。

ここで妄想。スサノオは新羅で牛頭天王とも呼ばれるようになったという話。
『日本書紀』巻第一神代上第八段一書に、スサノオ(素戔嗚尊)が新羅の曽尸茂利/曽尸茂梨(ソシモリ)という地に高天原[注釈 4]から追放されて降臨し、「ここにはいたくはない。」と言い残し、すぐに出雲の国に渡ったとの記述があるが、この伝承に対して、「ソシモリ」は「ソシマリ」「ソモリ」ともいう朝鮮語で、牛頭または牛首を意味し、朝鮮半島の各地に牛頭山という名の山や牛頭の名の付いた島がある由と関連するという説がある。(ウイキペディア)