神宿る。《揖屋神社・御神木 椎の木》片山通夫

黄泉の国との境・黄泉平坂

伊弉冉命(いざなみのみこと)を主神として祀る。『日本書紀』斉明天皇5年の条に「又、狗、死人の手臂を言屋社に噛み置けり。」とある「言屋社」、『出雲国風土記』意宇郡の条の在神祇官社「伊布夜社」、『延喜式神名帳』の出雲国意宇郡の「揖屋神社」に比定される。
記紀神話の神産みや大国主の神話に登場する黄泉の国、もしくは根の国(古事記では根之堅洲国)との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)の比定地が当社の東方の揖屋町平賀にあり、石碑が建てられている。

神宿る御神木は椎の木、樹齢は推定600年とか…。

 

伊弉冉にまつわる参考 イザナミの墓所の伝承地は、日本神話に記される比婆山や熊野市有馬のほか、雲伯国境を中心として日本各地にある。宮内省は八雲村(現 松江市)の神納山を比定地の中で最も有力として「陵墓参考地」に認定し、戦前内務省は船通山の北にある御墓山を「伊弉冉尊御陵流伝地」に指定していた。しかし、近世以降、古事記解読に初めて成功した本居宣長の古事記伝の話と、鉄製品を作る最良の砂鉄の産地は雲伯国境地帯《令制国にいう出雲国(島根県東部)と伯耆国(鳥取県西部)》であることから、島根県安来市伯太町のもの(比婆山久米神社)が支持されていた歴史があり、江戸時代、母里藩の古地図にも峯山大権現と記されているのが確認されている。さらには当地に伝承されてきた、たたら製鉄でつくり出される玉鋼は日本人の魂の象徴とされる日本刀の創始(安綱)ともかかわりが深く、最近では安本美典がこれら諸説を文献学的に比較し、島根/鳥取県境に最も近い安来のものを比定している。(ウイキペディア)

片山 通夫(かたやま みちお)
1944年生まれ、キューバ国営通信を経てフリー。
オフィシャルサイト http://www.609studio.com/