《渡来人たちの宴・外伝 その13》片山通夫

石舞台古墳

蘇我馬子の墓か?奈良・飛鳥の石舞台

話は少しさかのぼる。飛鳥に大きな石舞台古墳があることは、ご存じだろう。古墳というからには、だれか有力な豪族の埋葬地だと思われている。この時代、まだ大化の改新前の話で、つまり、大王(おおきみ)親政の中央集権以前の時代だと思われる。とにかく大きい。石は大小約30個、最大の石で約77tと推測される。総重量は2300tだという話。本来、土に覆われた小高い丘のようだったと思われるが、なぜか土が流れて玄室が露出してしまったとか。

この石を舞台に見立てて旅芸人や、キツネが化けた女性(たいてい化けたのは女性)が舞を舞ったとか言われている。月夜の晩にキツネが舞をまったなんて、いささかロマンチックだ。季節は当然秋でなくてはならない。

ところで誰が埋葬されたかに関しては不明だが、曽我馬子だという説が今のところ有力。