百鬼夜行夜話 009「九尾の狐 01」片山通夫

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九尾の狐

もとは中国から伝わったようだ。「きゅうびのきつね」と読む。読んで字のごとく尾が9本の妖怪である。

中国では九尾の狐はその姿が確認されることが泰平の世や明君のいる代を示す瑞獣とされる。『周書』や『太平広記』など一部の伝承では天界より遣わされた神獣であるとされる。一般に殷の時代の妲己(だっき)に化けて人の世を惑わすと知られている。このキツネは朝鮮、日本、ベトナムなどにおいて活躍(?)したらしい。美女に化けて惑わすという言い伝えから、タヌキとはその趣が違う。

時代はやはり平安時代。鳥羽上皇に仕えた(たまものまえ)という美女の正体が狐であったという物語は、14世紀に成立した『神明鏡』に、妖狐の化身であり、正体を見破られた後、下野国那須野原で殺生石になったという。
ちなみに殷の妲己とは紂王(ちゅうおう)を夢中にさせ暴政を敷き、王朝を滅亡に追い込んだ。

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