百鬼夜行夜話 017「鵺の鳴く夜は恐ろしい」片山通夫

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「京都 鵺 大尾」(「木曽街道六十九次」の内、歌川国芳画

 

横溝正史という作家がいた。金田一耕助という名探偵が活躍するおどろおどろしい探偵物語だ。その彼の小説に悪霊島という小説がある。詳しい内容はリンクを貼ってあるので参照していただきたい。その悪霊島の小説に「鵺の鳴く夜は恐ろしい」という部分が出てくる。
鵺(ぬえ)とは平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。

以上のように鵺とは想像上の妖怪で平家物語には得体のしれない様子が描かれているようだ。ただ鳴き声がとらつむぎに似ているというか、とらつぐみが夜中に森でか細い声で「ヒィー、ヒィー」または「ヒョー、ヒョー」と鳴くので気持ち悪く思われ鵺が鳴いているといわれていた。

その鵺は、平安時代末期。当時夜は月や星明りがないと漆黒の闇だった。近衛天皇はその闇の訪れを怖れた。夜ごと丑三つ時になると、御所は黒雲に覆われ、ヒョー、ヒョーという不気味な鳴き声がする。帝は、得体のしれない鳴き声を耳にする度、全身が震え、うなされるようになった。都人はその声の主を「鵺(ぬえ)」と呼んで恐れた。・・・(この項続く)

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