LAPIZ2020冬号Vol.36びえんと《大坂選手がマスクに込めたBLM》Lapiz編集長 井上脩身

全米オープン試合会場にマスク姿で現れた大坂なおみ選手

大坂選手がマスクに込めたBLM
~差別助長のトランプ発言のなかで~

テニスの大坂なおみ選手が9月12日に行われた全米オープン女子シングルスで2度目の優勝を果たした。その快挙にもまして世界から喝采をあびたのは、黒人差別への抗議を表すマスクをつけてコートに現れたことだ。米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたが、SNSには「黒人優遇運動をテニスに持ち込んだ」などと、彼女を批判する投稿も少なくない。女性差別、被差別部落への差別や在日韓国人・朝鮮人への民族差別などの従来からの差別に加えて、所得格差の拡大にともなう貧困者差別、国際化による黒人差別が日本でも大きな社会問題となってきている。差別の横行を放置してよいのか。大坂選手がマスクを通して問いかけたのは、多様な人々で構成される21世紀社会の中での、人としての在りようだと私は思う。 “LAPIZ2020冬号Vol.36びえんと《大坂選手がマスクに込めたBLM》Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む