冬の夜の昔話《樺太にわたったコロポックル》片山通夫

樺太の蕗

北海道・稚内の北にサハリンという島がある。かつて樺太アイヌも住んでいた。北海道でコロポックルの姿を見ようと待ち伏せた若者がいた話は前回した。コロポックルは若者の振る舞いに怒り、北の国へと移動したらしい。北海道の北と言えば、樺太であった。コロポックルの一族はここに居を構えたという。樺太にも北海道と同じような、いやそれよりも大きな蕗が群生している。コロポックルたちは樺太の蕗がいたく気に入ったようで4、その後どこかへ移ったという噂は聞かない。

松浦武四郎作「蕗下コロポックル図」

ちなみにコロポックルとはアイヌの伝承に登場する小人で、アイヌ語で、一般的には「蕗の葉の下の人」という意味であると解される。(ウキペディア)