冬の夜の昔話《樺太から戻ったコロポックル 10》片山通夫

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イオマンテを行うアイヌの男性たち。供物を捧げている。(1930年撮影)

いずれにしても樺太から北海道へ戻ったアイヌは日本による同化政策のよって、どんどん減少してゆく。明治政府以来の日本政府のアイヌ民族だけではなく琉球民族や朝鮮民族に対する対応はすべからく高圧的だったことは否めない。
明治政府のよって宗谷に移住させられたアイヌ民族は農業を強いられた。彼らは狩猟民族である。その文化を無視して農業を「指導」してもおよそ無理な話だ。今や北海道の河川に登ってくる鮭も自由には穫れない。無論イオマンテ(熊祭り)などは出来ないようだ。北海道におけるイオマンテの儀式は1955年に北海道知事名による通達(2007年4月、通達を撤回している)によって「野蛮な儀式」として事実上禁止となった。類似の熊送り儀礼は、樺太周辺のニヴフなど、ユーラシア・タイガの北極圏に近い内陸狩猟民族に広く存在している。イオマンテもその一種である。

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