春の宵物語《初夏の香り》片山通夫

ライラックは東京だと5月に咲く花木で、葉はハート形、花は円錐形に小花が房咲きになり紫色、藤色、紅色、白色などの一重や八重の花をたわわにつけます。香りが良いので世界中で愛されている花木です。フランス語でリラ、和名はムラサキハシドイと呼ばれています。ハシドイは日本に自生する近縁種の落葉小高木のことです。  ライラックは冷涼な気候を好み、特に夏の夜温が下がる環境を好みます。そのため東北北部や北海道、本州の高原地帯が適地といえます。  ライラックは切り花としても流通しています。2月ごろから輸入物のライラックが流通し始め、国産のライラックは4~5月ごろに出回ります。切り花としての流通期間は短いですが、とても人気のある花です。
ライラック

春ももうすぐ去ってしまう。季節は初夏。夏に移る。
初夏の香りを集めてみた。
まず花。筆者は動植物や魚類などには全く知識がないが、ただ知っているだけの5月の花。それはライラック。フランス語でリラ。ライラックの属名のSyringa(シリンガ)はギリシア語で笛やパイプを意味するsyrinxに由来し、枝の髄の部分をくりぬいて管にし笛をつくって古代ギリシャでは羊飼いたちがライラックの笛を吹いていたそうです。トルコではこれをパイプにしていたとか。

ライラック全体の花言葉は、「思い出」、「青春の思い出」、「友情」、「純潔」。
紫色のライラックの花言葉は、「初恋」、「愛の芽生え」
白色のライラックの花言葉は、「青春の喜び」、「無邪気」

またイギリスの一部の地域では「ライラックを身につけると結婚できない」、「紫のライラックの花は縁起が悪いので家に持ち込んではいけない」などといういい伝えが存在していたらしい。