京都・美山町から和知町へ向かうと樫原という集落を通る。その集落にはずれに大原神社があり、道沿いにケヤキの大木が鎮座している。樹の高さはさほど高くないが、幹周りは、およそ6mほどの大木で、存在感のある古木の風格を感じる。『京都の自然200選』選定植物に指定。
大野ダムがある集落で、和知側から行けば美山町に入って最初の集落、美山町域内では由良川の最下流に位置する。
古代は「和名抄」に記されている弓削郷に属し、中世は野々村庄の地。
樫原村は、江戸期~明治22年の村。大野10ヵ村の1。園部藩領。明治4年園部県を経て京都府桑田郡、同12年北桑田郡に所属。同22年大野村の大字となる。
樫原は、明治22年~現在の大字名。はじめ大野村、昭和30年からは美山町の大字。平成18年より南丹市の大字。
当然ながらこの大ケヤキは大原神社のご神木。大原神社のご祭神は伊弉冉尊。古伝によると孝徳天皇の御代(西暦六四五年)に創立され、霊験顕著にして、その崇敬の範囲は丹波全地域は勿ろん広く近畿圏に渉り大原詣と称して、参詣者は常に跡を断つことなかりしと伝えられている。 参考
しかし筆者が神社を訪れた時は人っ子一人いなかった。まあそんなものだと納得。神社の境内などにある古木はすべからく「ご神木」。当たり前のことだが寺院の古木はそうではない。ただ神仏混合の名残でしめ縄の張られた古木もある。
そこに見える不思議な姿をした大樹は当社ご神木の大欅(京都の自然200選)。本来はこの辺りから当社の境内であったという。わずか30戸ばかりの集落にしては立派な社である。
社伝によると、創祀は孝徳天皇の時代で、丹波六社の一と称するが沿革などは不詳。天田郡大原神社(現三和町)は本社の分霊を勧請したと伝える。祭神は伊奘冉尊。旧郷社。