夏の千夜一夜物語《太助とお化け》構成・片山通夫片山通夫

 夏です。夏定番の怖い話をご紹介。すでにご存じの方も多いと思いますが‥‥。
最初は

お化けが出るお寺に悩んでいた村人に、薬売りの太助が度胸と知恵で立ち向かうというお話。
村人の悩みを見かねた太助が古ぼけたお寺で構えていると、はたして、一つ目の大きな化け物が。「お前の怖いものは?」という問いに、「銭が怖い」と答えると、化け物は「オラはナス汁が怖い」というではありませんか。翌日、太助は鍋いっぱいにナス汁を作ってお化けを待ちます。現れたお化けは、逃げる太助に向かって小判を投げつけます。

一方の太助は、ナス汁を化け物にふりかけ、追い詰めました。悲鳴を上げる化け物に鍋ごとナス汁をかけると、化け物は大きなキノコに、小判は小さなキノコに変わってしまいました。
このことから、キノコ汁にナスを入れると中毒にならないと言われるようになったそうです。