Lapiz2021秋号Vol.39のお知らせ

Lapiz2021秋号Vol.39 は9月1日から順次掲載いたします。

Lapizはスペイン語で鉛筆の意味
(ラピス)
地球上には、一本の鉛筆すら手にすることができない子どもが大勢いる。
貧困、紛争や戦乱、迫害などによって学ぶ機会を奪われた子どもたち。
鉛筆を持てば、宝物のように大事にし、字を覚え、絵をかくだろう。
世界中の子どたちに笑顔を。
Lapizにはそんな思いが込められている。

夏の千夜一夜物語《ええじゃないか》構成・片山通夫

「ええじゃないか」騒動に興じる人々。(ウイキペディア)

 空から降ってくるのは雨や雪だけでなく、時には雹(ひょう)や花粉も降ってくるが、御札や豆までとなると、気象庁も困ってしまう。ところが江戸時代に、これらが実際に降ったらしい。伊勢神宮の御札が舞い、民衆が熱狂的に「ええじゃないか」と叫び踊ったという話は有名である。(写真) “夏の千夜一夜物語《ええじゃないか》構成・片山通夫” の続きを読む

夏の千夜一夜物語《ツチノコ》構成・片山通夫

 蛇にしては胴が太く、柄の無い槌(つち)のような姿だというツチノコ(槌の子)。地域によってはノヅチ(野槌)、尺八蛇などと言い、横になって斜面を転がるという話から、タンコロ、ドデンコとも称されている。
生け捕りに賞金がかけられるなど、近年でもメディアで話題になるが、民俗学では、昭和40年代に、坂井久光が雑誌『あしなか』で4度の報告をしている。坂井は、生態学者の今西錦司らと、目撃情報のあった各地へ足を運んだが、お目にかかることは出来なかったようだ。今西は蛇が獲物を飲み込んで膨れた状態と理解したが、岐阜県金山町では交尾期の蛇が絡まり合ったものだという。また全く架空の生物とする向きもある。
呼び方といい解釈といい、単一の現象に還元できないところが興味深い。
(日文研妖怪DB班・中本剛二)

連載コラム・日本の島できごと事典 その35《野島断層》渡辺幸重

野島断層「ひょうご観光本部」HPより https://www.hyogo-tourism.jp/spot/result/917

 1995年(平成7年)117日・火曜日・0546分、マグニチュード7.3の兵庫県南部地震が発生しました。この直下型地震はマンションやビルを倒し、高速道路や鉄道、ライフラインを分断し、火災を起こし、神戸市を中心に死者6,434人・行方不明者3人・負傷者43,792人・住家被害約64万棟という甚大な被害をもたらしました(消防庁調べ、2006519日確定値)。これが「阪神・淡路大震災」です。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その35《野島断層》渡辺幸重” の続きを読む

夏の千夜一夜物語《幽霊の話2》構成・片山通夫

その時も残業をしていたそうなのですが、足音や仕事をしているような音はしなかったそうです。
ただ、どこからかカタカタという音が絶え間なく聞こえていたそうです。

気になるので音を辿っていくと、応接室に行きつきました。ドアを開けると、さらにカタカタという音が大きくなります。 “夏の千夜一夜物語《幽霊の話2》構成・片山通夫” の続きを読む

Lapiz Online 2021秋号

雨が続いています。
被害にあわれた地域にはお見舞い申し上げます。
またコロナの今まん延とあわせて、後とも十分お気をつけてください。

Lapiz2021秋号は9月1日から掲載開始です。
お楽しみに…。

夏の千夜一夜物語《幽霊の話》構成・片山通夫

知人に聞いた話ですが、彼の勤めている会社のビルは「出る」と言われているそうです。特定のフロアだけに出るのだそうですが、そこには知人が所属する部署も入っていて、そのため何度もそれらしいものに遭遇したことがあるようです。

しかし知人曰く、お化けといっても大人しいものなんだとか。
残業をしていると、パーテーションの向こうから足音がしたり、マウスをクリックしたり、書類をめくったりする音が聞こえるそうです。
まるでそこに誰かがいて、同じく仕事をしているような雰囲気なのだとか。

自分の仕事が終わってもまだ気配がするので、挨拶してから帰ろうと覗くと、誰もいないのだそうです。
フロアを出入りするドアは一つしかなく、開け閉めすると音がするので、人の出入りがあればすぐわかるはずだと言います。 “夏の千夜一夜物語《幽霊の話》構成・片山通夫” の続きを読む