一昨日16日、一般的にお盆は過ぎ、あちらの世界へ霊を送るための「送り火」が日本のあちこちで焚かれた。子供の頃、住んでいた村では村のあちこちの辻で送り火が夕方」日が沈むと送り火が鉦の音とともに火がつけられた。ずっと後で気が付いたが、あちこちの辻は「六道の辻」だったのかもしれない。 “夏の千夜一夜物語《六道の辻と盆》構成・片山通夫” の続きを読む
連載コラム・日本の島できごと事典 その34《地球上最悪の侵略的植物》渡辺幸重
<「地球最悪の侵略的植物」淡路島で畑に広がる><地球上最悪の“侵略的植物”各地で勢力拡大>という新聞記事の見出しにびっくりしました。地球上最悪の侵略的植物・ナガエツルノゲイトウが淡路島や奄美大島などで繁殖し、問題になっているというのです。それにしても“地球上最悪”というのは大げさな、と思いながら記事を読んでみました。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その34《地球上最悪の侵略的植物》渡辺幸重” の続きを読む
夏の千夜一夜物語《お盆に来るもの》構成・片山通夫
お盆ですね。お盆は「地獄の釜の蓋もあく」とか。これは正月や盆の16日は、地獄の鬼も罪人の呵責 (かしゃく) を休むというところから、この両日はこの世の者もみな仕事をやめて休もうということ。 “夏の千夜一夜物語《お盆に来るもの》構成・片山通夫” の続きを読む
夏の千夜一夜物語《無いはずの上履き》構成・片山通夫
これは、私が親戚のおじさんから聞いた話です。
おじさんがまだ子供だった頃。
現代のコンクリート校舎と違って、当時はまだ木造の校舎が残っていました。
おじさんの学校も木造だったらしく、廊下を歩く度にギシギシと軋む音が鳴り響き、放課後に1人で歩くのは怖かったと言います。 “夏の千夜一夜物語《無いはずの上履き》構成・片山通夫” の続きを読む
連載コラム・日本の島できごと事典 その33《霊場・松島》渡辺幸重
日本三景といえば、松島・天橋立・宮島です。奥州の松島は、松島湾内外に300近い島々を浮かべ、白から灰白色の岩肌と松の緑の景観から国内屈指の観光地になっています。江戸時代から景勝地として知られる松島ですが、その前は“奥州の高野(こうや)”と呼ばれ、死者供養の霊場だったことをご存知でしょうか。
夏の千夜一夜物語《綺麗な景色》構成・片山通夫
これも聞いた話の受け売りだ。
ある日突然、近所のおじさんが玄関を開けて入ってきた。
酒を飲んでは騒ぎを起こし、そこいらではよく思われていない男だ。
鼻つまみ者の労働者。
「ちょっと外に出てみな。すごい夕焼けだ。見た事もない綺麗な景色だよ。」
何と言うか、顔つきが清々しい。いつになく良い顔をしている。
私はすぐに外へ出て空を見上げた。
確かに綺麗な夕焼けだけど…飛び抜けて感心する程でもない。
「辺りが輝いてるなぁ。生きてて良かった。こんなに綺麗な夕焼けを拝めるなんて、すごいよなぁ。」
そう言いながら、おじさんは坂道を下って行った。
私はぽかーんと空をしばらく見上げて、家に入った。
それからパーンと突き抜けるような電車の警笛の音がした。
救急車や消防車のサイレンが近くで鳴り響く。
おじさんは電車に跳ねられて死亡した。自殺だったそうだ。
生きてて良かった、なんて言った人が自殺なんてするだろうか?
今でも釈然としない。
何かに魅入られたのだろうか?
人は、死ぬ前に美しい景色を見るとは聞いた事があるが…。
夏の千夜一夜物語《立秋》片山通夫
立秋 新暦で今年の立秋は今日・8月7日(土曜日)。しかし今日も真夏、最近は所謂猛暑。いきなり秋と言われても・・・。
少し秋を感じる歌を探しました。
〇秋きぬと眼にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
〇川風のすずしくもあるかうちよする波とともにや秋は立つらん 紀貫之
〇さまざまのあはれをこめて梢吹く風に秋知る深山辺の里 西行
〇心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ 西行 “夏の千夜一夜物語《立秋》片山通夫” の続きを読む
写真・ヒロシマ《1945年8月6日午前8時15分》片山通夫
夏の千夜一夜物語《声をかける女性》構成・片山通夫
これは私が体験した、有り得ない体験の話です。
私は色々あって専門学校を中退し、都会から地元へ戻った時がありました。そして特に将来の予定もやる事も無い私は、たまたま街で再会した中学時代の同級生に誘われるまま、コンパニオンのバイトを始めたのです。コンパニオンの仕事は同じ内容でしたが、向かう会場は違う事が多かったです。 “夏の千夜一夜物語《声をかける女性》構成・片山通夫” の続きを読む
夏の千夜一夜物語《大事な祠》構成・片山通夫
私のおじいちゃんの家の敷地には、お稲荷さんを祀っているという小さな祠がありました。おじいちゃんは祠をとても大切にしていて、中身を見せてくれないだけでなく、自分以外は触ることも許しませんでした。
一度、私が何気なく触ろうとしたら
「何をしてる!絶対にそんなことをしてはいけない!祟られるぞ!」
と凄い剣幕で叱られた事がありました。 “夏の千夜一夜物語《大事な祠》構成・片山通夫” の続きを読む