秋の夜長に聞く話《伏水の酒》片山通夫

大倉酒造の井戸。今も滾々と・・・。

西に灘があれば東には伏見がある。滾々と湧く伏水(ふしみず)を使った酒が伏見の酒だ。 歴史は古い。大倉酒造のホームページによると、5世紀には渡来系氏族の秦氏らが酒造りに関わり、8世紀に平安京の造酒司で行われた高度な酒造りの影響を受けながら、伏見の酒は歩み育てられてきた。 1425年(応永32年)、1426年(同33年)の酒屋名簿によると京の洛中・洛外に342軒の酒屋が存在し、その中には伏見の酒屋も含まれていたとか。
 https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/kyotofushimi/fushimi/fushimi02.html

話は変わるがこの京都・伏見の大倉酒造の近辺に三十石船で大阪まで通っていた船があり寺田屋という船宿がある。寺田屋事件が起こった。
同じく大倉酒造のホームページには詳しく掲載されているので是非ご覧ください。https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/ryoma/teradaya.html

怒りを込めて振り返れ《新疆ウイグル地区や台湾から目を離せない》一之瀬明

中国・新疆地区における少数民族への「弾圧」に対し、国際的な批判が起きている(イスタンブール、2月26日)

世は総選挙一色である。現与党が衆議院を制するかと国民の注目が集まっている。各党とも「ばらまき」を公約に挙げている。特に自民党や公明党、つまり現与党の連中が口をそろえて言っているのがおかしい。それならこの2年の間に、つまりコロナ救済でアベノマスクで何百億も使い、たった一度10万円給付で口を濁ごさず早めに手を打ってほしかったと思うのは私だけ? “怒りを込めて振り返れ《新疆ウイグル地区や台湾から目を離せない》一之瀬明” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その44《島を食う虫》渡辺幸重

かつてのホボロ島

瀬戸内海の東広島市赤碕の沖に小さな島「ホボロ島」が浮かんでいます。「美しい赤土の山肌を持っているこの島は、風雨や波に侵されて身がやせ細るばかりだったので、そこから逃げだそうとしたものの周囲の島々がじゃまをしてどこにも逃げられなかった。西方にこの島に好意を持つ藍之島があったが、その間にある島が辛く当たるので会いにも行けず、すっかり諦めて衰亡の身を横たえている」という伝説がある島です。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その44《島を食う虫》渡辺幸重” の続きを読む

秋の夜長に聞く話《灘の生一本》片山通夫

灘五郷絵図

関西には酒どころと言われている郷がいくつもある。代表的なのが「灘五郷」。神戸市灘に有名な造り酒屋がひしめいている。五郷とは、兵庫県の灘一帯にある5つの酒造地の総称である。西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷を指す。日本の清酒生産量の約3割を占める。筆者の知り合いのも過去に造り酒屋を営んでいたり酒樽の製造に携わっていた家があった。魚崎と今津のそれらは存在した。 “秋の夜長に聞く話《灘の生一本》片山通夫” の続きを読む

秋の夜長に聞く話《秋の宵に飲むカクテル・・・》片山通夫

宵とは「日が暮れてからしばらくの間。(夕暮れに続く)夜の初めの頃を言う。こんな日はやはり土砂降りとか曇りでは何かそぐわない。夕日が落ちて残照が空を赤く染め、秋特有のイワシ雲などが赤く染まり、徐々に暗くなってゆく頃、そんな時には何を飲む? “秋の夜長に聞く話《秋の宵に飲むカクテル・・・》片山通夫” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その43《消えた国境離島》渡辺幸重

潮位観測の流れ(海上保安庁)

地図を見ると、北海道北部のオホーツク海側、宗谷郡猿払村の沖合約0.5kmに「エサンベ鼻北小島」があります。これは2014年8月に国が命名し、2016年度に国有財産台帳に記載した「領海の外縁を根拠付ける国境離島」のひとつで、1987年に行った第一管区海上保安本部による測量で、標高1.4mとされています。ところが2019年9月24日、海上保安庁は調査を行った結果「島は存在しない」と発表しました。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その43《消えた国境離島》渡辺幸重” の続きを読む

秋の夜長に聞く話《秋の夜長に飲む酒は・・・》片山通夫

月見の宴

何となく昔から秋の夜長を過ごすにはお酒が恋しいと思う。これと言った理由はないのだが「春はたそがれ時に」、「夏はギンギンに冷やしたビール、そしてそのあと酒ロック」、「冬は熱燗でおでん」とまるで絵にかいたようなステレオ・・・。我ながら書いていて恥ずかしい。
さて本題の「秋」だが、月を愛でながらとか、ススキを枯れ尾花と言って見たりとか、そんな風流な気持ちは悲しいかな、持ち合わせていない。 “秋の夜長に聞く話《秋の夜長に飲む酒は・・・》片山通夫” の続きを読む

秋の夜長に聞く話《鳥居(とりい)の謎 005》片山通夫

黄泉比良坂入口

鳥居の話の最後は黄泉平坂(よもつひらさか)について。お疲れ様です。黄泉の国は地底にあると思われるいわゆるあの世である。日本神話に黄泉の国の話が出てくる。少し紹介しておきたい。鳥居の話の最後は黄泉平坂(よもつひらさか)について。黄泉の国は地底にあると思われるいわゆるあの世である。日本神話に黄泉の国の話が出てくる。少し紹介しておきたい。 “秋の夜長に聞く話《鳥居(とりい)の謎 005》片山通夫” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その42《国境離島》渡辺幸重

日本の領海と排他的経済水域EEZ(海上保安庁)

近年、日本政府や政治家が急に使い始めた言葉に「国境離島」があります。領海や排他的経済水域(EEZ)などの線引きを行う際に管轄海域の根拠となる基線は国連海洋法条約で「沿岸国が公認する海図に記載される海岸の低潮線等」と定められています。日本は島国ですからその基線となる小島や岩礁がたくさんあります。1987年(昭和62年)の海上保安庁『海上保安の現況』によると、日本にある島嶼は本州島なども含めて6,852島(周囲100m以上)です。このうち、有人60島、無人465島の計525島が「国境離島」とされます(北方四島・竹島地域を除くと484島)。これらの領土から12海里(約22.2km)以内が領海、200海里(約370.4km)以内が天然資源の開発権が認められるEEZとなります。領土問題や海底資源などへの関心が高まっていることから特に近年、「国境離島」がクローズアップされているのです。
日本政府は2010年度(平成22年度)から翌年度にかけて正式な名称が記載されていなかった49島について名称を決め、地図・海図への記載を決めました。これはEEZの外縁を根拠付ける島が対象でしたが、2014年(平成26年)8月には、領海の外縁を根拠付ける158島についても新たに島名をつけました。また、所有者が不明な273島については国有財産として登録することにし、2017年(平成29年)3月までに国有財産台帳への登載を終え、一部の島を除き不動産登記も行われました。2016年(平成28年)4月には「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(有人国境離島法)」が成立し、29地域148島が「有人国境離島地域」に指定されました。これの地域を対象に振興策と同時に「日本の国境に行こう!!」プロジェクトが展開されています。
新しく付けられた名前には「北小島」「南東小島」など方角を付けただけというものが多く、地元の漁師に聞けばもっとなじみ深いものになっただろうになんとも味気ない感じがします。ちなみに尖閣諸島をみると、久場島の周りだけでも北小島・東小島・南東小島・北西小島があり、北小島は大正島や魚釣島をはじめ全国各地にあります。
これらの一連の動きは日本国民の生活や安全保障に深い関わりがありますが、一般の関心は低いようです。「国境離島を防衛の拠点に」などという軍事強化の風潮につながることは避けなければなりません。