冬の夜更けは・・山城の国物語007《継体天皇ヤマトへ》片山通夫

20年もの歳月をかけて、山城国で雌伏してヤマトへの遷都をうかがっていた継体天皇にようやくチャンスが巡ってきた。ここ大和の地で生まれた手白香皇女(たしらかのひめみこ、仁賢天皇2年以前 – 没年不詳)と皇女に近しい皇族が後ろ盾となった。ようやくヤマトの本拠地に入城したというわけである。この手白香皇女は後に継体天皇の皇后となる。磐余玉穂宮遷都に果たした皇后手白香皇女の役割というのは、すでに述べたように「内部からの手引き」であろうことは想像に難くない。その功をもってか知らないが彼女は天皇の皇后となった。もしかして先に結婚していたのかもしれない。もちろんこれは筆者の妄想であるが…。

ここ当時の中枢であった桜井市には歴代の天皇の宮があった。
第17代履中天皇の磐余稚桜宮(いわれのわかざくらのみや)、
第22代清寧天皇の磐余甕栗宮(いわれのみかぐりのみや)、
第26代継体天皇の磐余玉穂宮(いわれのたまほのみや)、
第31代用明天皇の磐余池辺双槻宮(いわれのいけのべのなみつきのみや)
である。

このうち磐余玉穂宮は我らが継体天皇が彼の皇后と宮を営んだ。歴史上初の「内助の功」だったのかもしれない。
シリーズ山城の国の継体天皇編はこの項で終わる。次は現在の山h城の国を知らべることとしたい。