原発を考える《怒りを込めて振り返れ! 原発》一之瀬明

チェルノブイリ原発4号機

ウクライナ政府は2022年2月24日、ロシア軍がチェルノブイリ原発を占拠したと発表した。ミハイロ・ポドリヤク大統領顧問は、ロシアによる「全く無意味な攻撃」は「今日のヨーロッパにおける最も深刻な脅威の一つ」だと述べた。
また最近になって、プーチンはロシアの核戦力部隊に戦闘態勢に入るよう命令した。どうもロシア軍、いやプーチンは最後には核を利用することも作戦の一つと考えているような気がする。しかし火遊びにしては危険すぎる。ロシアの政治体制がどの様になっているのかわからないが、「核のボタン」をプーチンが押すと決めた場合、プーチンのそばにいる誰かがそれを止めることが出来るのか。またプーチンの精神状態などをチェックする体制もあるのか。いささかどころでなく心もとないことである。

1990年代キエフ市内で

一方チェルノブイリ原発を占拠したロシア軍は現在のところ原発に対して「無謀な行動」はとっていないようだ。周辺は立ち入り禁止で、原発そのものも稼働していないが、この地域で戦闘が激化すれば、放射性廃棄物が流出する危険がある。果たしてこのような危険があることを占拠したロシア軍が十分に理解しているよう希望する。

話は変わるが、わが国も54基もの原発を抱えている。そのうち福島ではメルトダウンを起こした。テロの対する防備が完全ということはなさそうな状況が続く。わが国政権与党内部では弾道ミサイルの発射基地など敵国の基地や拠点などを攻撃する装備、能力を持つような動きをはじめようとしている。その防衛のための攻撃だが、まず敵がミサイル攻撃する可能性を察知できるか否か、またその敵の照準はどこにあるかなど高度で綿密な計算とその判断に至った証拠等を保全しておかなければならない。的外れな敵基地を攻撃すれば大問題だ。
「そんなことできるんかい」と疑問に思う。またチェルノブイリの例を見ても、敵が地上で原発を普通(簡単)に確保できるということが立証された。
54基もの原発を抱えてるわが国はどの様に防衛出来るのかはなはだ疑問だ。勇ましいこと言わずに様々な国と仲良くすることが必要だと思う。いっそ原発の周りを自衛隊の基地で囲むくらいのことが必要なのかもしれない。

今回ロシアに対して制裁をすると決めたが、スイスは永世中立国である。研究するならこの永世中立国だ。
写真:片山通夫

【参考資料】保守点検のため前日より原子炉停止作業中であった4号炉(出力100万kW、1983年12月運転開始)で、1986年4月26日午前1時23分(モスクワ時間)急激な出力上昇をもたらす暴走事故が発生し爆発に至った。目撃者によると、夜空に花火が上がったようであった。原子炉とその建屋は一瞬のうちに破壊され、爆発とそれに引き続いた火災にともない、大量の放射能放出が継続した。最初の放射能雲は西から北西方向に流され、ベラルーシ南部を通過しバルト海へ向かった。4月27日には海を越えたスウェーデンで放射能が検出され、これをきっかけに28日ソ連政府は事故発生の公表を余儀なくされた。
チェルノブイリからの放射能は、4月末までにヨーロッパ各地で、さらに5月上旬にかけて北半球のほぼ全域で観測された。大阪府泉南郡にある京都大学原子炉実験所のグループが最初にチェルノブイリからの放射能を観測したのは、5月3日に降った雨水からであった。 (以上インターネットから)