22年夏号Vol.42 原発を考える《「黒い雨訴訟」に見る原発の問題点》井上脩身

『私が原発を止めた理由』の表紙

2014年5月、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを、福井地裁の裁判長として命じた樋口英明氏の活動を追った映画が今秋上映される。題は「原発をとめた裁判長そして原発をとめた農家たち」。樋口氏を中心に福島県二本松市の営農家らの活動を通し、原発の危険性を告発する映画となるようである。その主人公の樋口氏については、ラピスでも著書『私が原発を止めた理由』を取り上げ、我が国の原発が過去の地震の大きさに対応する対策がなされていないことを明らかにした裁判官であると紹介してきた。樋口氏についての映画企画が浮上したのを機に、私は改めて同書を読み返した。樋口氏が放射能被ばくの観点から「黒い雨訴訟」を注目していることに気付かされた。本稿では、同訴訟を通して、原発の問題点を考えたい。 “22年夏号Vol.42 原発を考える《「黒い雨訴訟」に見る原発の問題点》井上脩身” の続きを読む