千夜一夜の夏《幽霊と妖怪》片山通夫

さてその幽霊だが日本にも古来から伝わる話があまたある。人の怨念がこの世に残って、恨みを晴らそうとする話が多い。

反魂香之図・丸山応挙画(部分)

ところで幽霊には足がない。これ一つの不思議。いや、不思議でもなんでもない。「反魂香」という伝説上のお香があった。落語に出てくる話でそのお香を焚くと愛妻だった幽霊がお香が燃えている間姿を現す。お香を焚いている間だから煙で足が見えない。その状況を丸山応挙と言う有名な画家が描いた。足の見えない幽霊を…。

反魂香はんごんこう :焚けば死人の魂を呼び返し、その生前の姿が煙の中に現れるといわれる想像上の香。 返魂香ともいう。(落語
丸山応挙:享保18年5月1日(1733年6月12日)- 寛政7年7月17日(1795年8月31日))は、江戸時代中期~後期の絵師。