怒りを込めて振り返れ!《原発を考える》一之瀬明

原発の再稼働・新設目指す岸田内閣

広島平和記念資料館で

8月はヒロシマ・ナガサキの2都市に原爆投下されて敗戦が決まった月だ。
一方現在の世界の情勢は決して穏やかな状況とは言えない。ロシアがウクライナに侵攻し、町を破壊し、そこに住む人々を殺戮し続けている。わが国の周辺では台湾をめぐる米中の緊張が過去になく高まっている。ロシアは「北海道に興味を示し」、「中国は台湾統一」を公言している。北朝鮮は核武装にいそしみ、これらの緊張に乗じている形だ。国内ではこれらの状況を踏まえて「核武装論」まではともかく「核共有論」が飛び出し、防衛予算も過去最高に膨張している。わが国には54基の原発があり政府は電力の安定供給を目的に、再稼働はおろか、新規の原発の設置もを視野に入れていると報道にあった。現在、ウクライナではロシア軍による「原発占拠」が行われているようだ。ロシア軍が原発を制圧しその市内下に置き、基地化しているという報道がある。7月15日の毎日新聞によると《攻撃できない拠点 原発を「軍事基地化」するロシア軍の驚きの作戦》と言う。《欧州最大のザポロジエ原発と作業員たちを支配下に置く。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、ロシア軍は同原発の敷地内に重火器などを配置し、「軍事基地化」を進めている。原子炉を安定した状態にするための冷却水の貯水槽近くには、対人地雷を敷設して防御体制を固めているという。武力衝突が起きれば大惨事につながりかねず、緊張状態の長期化は避けられない。

我々は安易に電力が足りないからと原発を再稼働し、あまつさえ新設するという選択は絶対避けるべきだ。ウクライナの例を見るまでもなく大惨事になりかねない。誰かがテレビで「万一敵のミサイルがわが国の原発を攻撃しても、風に乗ってミサイルを発射した国に放射能は流れる(だから東京は安全だ)」などとたわごとを言ってた御仁がいたようだが、「偏西風に乗って東に流れる」ことすらわからない御仁だった。

「核の共有」論は襲撃されて亡くなった安倍氏が唱えたようだが、何を馬鹿なことを言っているのかと思わず吐き捨てたことがあった。
そんな頃、次のような言に巡り合ったので紹介したい。「私たちは戦争による被爆国はヒロシマ、ナガサキで終わりにしなければならない。決してこれ以上の犠牲は増やしてはならない。ウクライナの原発はロシアに占拠されてなおかつ軍事要塞化が進められているという。ヒロシマ、ナガサキの惨状を常に世界に発信して核のない世界を創造する努力をしたい。

「核の抑止力について声高に語る人達がいる。核の抑止力のおかげで これまで核戦争は起きなかったと。愚かなことだよ。本当の意味での核の抑止力というのは1945年8月6日に広島で起きたこと。そして9日に長崎で起きたことではないかと思う。被曝の現実こそが真の抑止力だ。」ディミトリ・ルソプロス氏
https://ja.upwiki.one/wiki/dimitrios_roussopoulos (この項続く)