怒りを込めて振り返れ《日本の「保守派」の情けなさ》一之瀬 明

故文鮮明氏

過日下のような書き出しの毎日新聞記事を見つけた。タイトルは「旧統一教会・文鮮明氏、天皇・領土巡り保守派と相いれぬ発言判明」 。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が2002年に韓国内で信者に向けて行った説教で、日本の天皇を「平凡」と表現し、その約2年後には長崎県の対馬を「韓国の土地」と明言していた。韓国語で記された文氏の発言録全615巻の中から毎日新聞が当該部分を確認・翻訳し、判明した。(毎日新聞22/11/24電子版)
カルト宗教のことだから、内部でこのような発言をおそらくは繰り返していたことは、想像に難くない。しかし我が国の政権与党が戦後間もないころから、くだんの宗教にはまる、もしくは選挙対策としても同調し挙句の果ての票頼みとはかなり情けない状況だ。

記事にも指摘されているように「日本の保守」と目されている人々が彼の発言記録をまったく知らなかったのではないと思われる。この文鮮明氏の発言も知らなかったとは言えまい。様々な媒体ですでに一部は報じられていた。しかし彼ら日本の保守は一向に文鮮明氏の考えに反論しない。口をつぐんだままだ。いや、もっとレベルの低いところで擁護さえしている。
福田達夫前総務会長は、「何が問題かよくわからない」と発言。元大阪府知事の橋下徹氏は「過剰に法律の範囲を超えて攻撃していくのは、山上容疑者の意図した通りになっちゃうんです」。政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「安倍さんと(旧統一教会が)どうして結びつくんだ? と。山上容疑者はそれを結びつけてしまって、あの犯罪に及んだわけですよね。安易に結びつけないほうがいいんだと思いますよ。(安倍氏と旧統一教会の)関係は今のところないわけだから」7月12日に発言。 少し調べただけでもすぐに以上のような発言を確認できた。これらはテレビで筆者から見れば「くだんの宗教を必死で擁護」していると見える。

保守派を自任する自民党の皆さん、皇室を貶め、わが国の領土に言及した教祖の宗教をいかに選挙のためだと言えいささかどころでない節操の無さではないだろうか。それとも一宗教のいうことなのだから「立派な政治家である我々」は相手にはしていないとでもいうのか?