編集長が行く《北海道・礼文島 01》Lapiz編集長井上脩身(文・写真共)

文島で観測された金環日食(ウィキペディアより)

取り残されたメルヘンの島
 9月末、北海道北端の礼文島を訪ねた。私が小学校4年生の教科書に、礼文島で撮影された金環日食の写真が掲載され、子ども心ながら礼文島に夢世界を思い浮べたのだ。大人になって、そのことはすっかり忘れていたが、2012年7月21日、近畿で282年ぶりという金環日食を観察したことから、礼文島への憧憬が心の中で再びわきあがり、今年、ようやく実現したしだいだ。そう大きくはないこの島の景観は変化に富んでいて、四季折々、場所によってさまざまな顔をみせる。厳冬期には流氷で閉ざされることもあり、生活をするうえでは不便このうえない島ではあるが、それが結果としてメルヘン世界が今も広がっているように思えた。経済性というモノサシでは評価は低いであろうが、メルヘン度という尺度があるならば、極めて高い評価を得るのではないか。 “編集長が行く《北海道・礼文島 01》Lapiz編集長井上脩身(文・写真共)” の続きを読む