Lapiz2023春号・徒然の章《カメラの進化》中務淳行

昨年は猛暑、この冬は寒かったが2月に入ると穏やかな日が続いた。かと思うと中旬になると、首都圏にも警報が出ようかというほどの寒波がやってきた。私の冬は相変わらずの散歩でカメラが活躍する。今、私のお供は2018年秋に発売されたZ7。今、一眼レフは各メーカーとも製造を終り、ミラーレスの時代に入った。そしてブレ防止もレンズからボディによる機能になってきた。

この冬、私は大きな発見をした。撮った写真に自分がファインダーで見ていなかったモノを取り込んだパソコンで見つけたのだ。朝の散歩でのよく氷を撮る。それも我家の近くにある田んぼや金魚池の氷だ。

昨年暮れのある朝、いつものように田んぼの氷を撮った。面白い下腿で凍るモノだ。ここまではいつも通りだ写真「田んぼの氷1」。ところが数日後に撮った写真をパソコンで確認すると、実に細かいところまで映っているではないか「同2」。掘り起こした田の畝の上に乗って撮るので足場は極めて悪い。三脚は立ててもブスブスと沈んでいく。自分の足さえ不安定なところで撮った写真がこんなにシャープに、しかも現場で見えなかったモノまで映っている。

大きな感動だった。私が最初に手にしたデジタルの一眼レフは、ニコンと富士フィルムが共同で開発したもので、阪神淡路大震災直後の19951月に当時の天皇、皇后両陛下が西宮へお見舞いに来られたときに夕刊用にカラーで使用したもので、6月に発売されたが、当時の6×7判の大きさで価格は500万円。メモリーカードは名刺大で5メガだった。価格も1MB一万円あまりで、今では考えられない高価なものだった。80歳になった今、はミラーレスに24~200mmのズームをつけて、三脚も使わずに使っている。それでも全紙くらいはOKだ。写真寿命もそう長くはないと思うが、これからはどう進化するのだろうか。