Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平

 そんな折に日本の岸田首相は「閣議決定」という無謀な手で、敵基地攻撃能力を持つことにし、「防衛力」という「戦力」に「先制攻撃」を付け加えた。敵基地攻撃能力とは、弾道ミサイルの発射基地など敵国の基地や拠点などを攻撃する装備能力。 反撃能力ともいう。戦後の平和主義から一変した政策である。 “Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平” の続きを読む

Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #1》山梨良平

ロシア革命

一般に我が国の仮想敵国は中国や北朝鮮と言われている。過去に帝政ロシアは我が国と戦ったことがある。19054年から1905年のことだった。いわゆる日露戦争である。幸いにして我が国の勝利に終わったことは周知の通りだ。
日本が勝利した背景にロシアの内政問題があったことは言うまでもない。帝政ロシアは農奴開放によって農民は時の支配者に抵抗した。 “Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #1》山梨良平” の続きを読む

とりとめのない話《高見颪》中川眞須良

私はいつの頃からか「風」が大好きになった。勿論危険が伴う強風 暴風は対象外だ。一口に 風 と言っても「感情」を持った一人の人間との関係は無限に広い。まず風に対してはその吹く時期 場所(地方) 風向 風力などによって多種呼び名を変え広く日常に溶け込んできた。その一つに「颪」がある。 “とりとめのない話《高見颪》中川眞須良” の続きを読む

原発を考える《大手を振り始めた原発プロパガンダ》文・井上脩身

『原発プロパガンダ』の表紙

 岸田文雄首相は8月24日、次世代原発について開発・検討する方針を打ち出した。それまで政府は原発の新増設・建て替えについて「想定していない」としており、前触れのない唐突な方針変更であった。だがこの日、読売新聞が原発に運転再開について初めて賛成が反対を上回ったとの世論調査結果をオンライン上で明らかにしており、岸田首相はマスコミの動向を注視したたうえで方針を示した可能性をうかがわせた。福島第一原発の事故後、原発推進を後押しする論調は影を潜めていたが、ウクライナ戦争によってエネルギー問題が深刻化するなか、原発推進派マスコミが大手を振りはじめた。 “原発を考える《大手を振り始めた原発プロパガンダ》文・井上脩身” の続きを読む

原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明

北朝鮮のミサイル

なんでも仮想敵国から攻撃を受ける前にこちらから先制攻撃できるように閣議決定したとか。16日に閣議決定された安全保障3文書の改定で、新たに保有することになったのが「敵基地攻撃能力(反撃能力)」だ。
何のことはない、「やられる前にやっちまえ」ということのようだ。ロシア、北朝鮮や中国を想定していると、これは大変なことだと想像がつく。 “原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明” の続きを読む

Opinion《防衛費と大災害》貝塚次郎

初めに

内閣府がまとめ2019年4月に発表された資料によると、南海トラフ地震の被害の想定によると次のようになります。

時期         2035年を中心に前後5年(地震予測モデル)
想定規模       マグニチュード9.1(東日本大震災の約10倍の規模)
想定震度7の地域   10県 151市町村
津波の高さ      最大34m  到達時間 最短2~3分(高知・和歌山)
想定される被害地域  静岡県から宮崎県 地域人口 約6600万人
想定される被害
死者          32万人
建物の倒壊      約238万戸
避難者(1週間後)  960万人
食料の不足      9600万人分
経済的被害      220兆3000億円

上記が今後十数年の間に必ず起こる南海トラフ地震の概略です。 “Opinion《防衛費と大災害》貝塚次郎” の続きを読む

宿場町・大和街道 上柘植(かみつげ)宿《芭蕉の生まれ故郷説を探る 02》文・写真 井上脩身

大和街道に面した旧上柘植宿の街並み

芭蕉は寛永21(1644)年、伊賀国阿拝郡(現伊賀市)で、柘植郷の土豪の一族の出身である松尾与左衛門の次男として生まれたとされている。13歳のとき、父が死去し、兄半左衛門が家督を継いだが、生活は苦しかったという。芭蕉は『芳野紀行』(別名『笈の小文』)のなかで、「父母のいまそかりせばと慈愛の昔も悲しく、思ふ事のあまたあり」と記しており、母への思慕の念を生涯いだきつづけていたことは間違いないであろう。

本陣跡辺りに高札場

本陣跡付近に建てられた高札場

『野ざらし紀行』のなかで訪ねた故郷が上柘植であるとは前掲書には書いていないが、「北堂の萱草も霜がれ果て」という言葉から、今は「忍者の里」として観光客でにぎわう上野より上柘植の方がふさわしいのでないか、というおもいがつのった。JR東海道線の草津駅で草津線に乗り換え約1時間、柘植駅に着いた。駅舎は素朴な田舎駅である。駅の前には商店ひとつなく、終着駅とは思えない静かなたたずまいだ。やはり上柘植の方がふさわしい。そんな感傷的な気分になった。 “宿場町・大和街道 上柘植(かみつげ)宿《芭蕉の生まれ故郷説を探る 02》文・写真 井上脩身” の続きを読む

宿場町・大和街道 上柘植(かみつげ)宿《芭蕉の生まれ故郷説を探る 01》文・写真 井上脩身

芭蕉

 松尾芭蕉の生地は三重県伊賀市上野といわれ、かつて芭蕉ゆかりの地を訪ねたことがある。ところが上野の約12キロ東に位置する同市の上柘植が生地という説があることを最近知った。調べてみると、そこは大和街道上柘植宿があったところだ。大和街道は東海道関宿から奈良に至る道である。芭蕉は何度も伊勢神宮を参拝した後、古里に帰り、さらに大坂方面に向かっている。その際、大和街道を使ったに違いなく、上柘植宿は芭蕉にとって思い出深い宿場であったはずだ。あるいは芭蕉の息吹が感じられるのではないか。秋が深まるなか、上柘植宿を訪ねた。 “宿場町・大和街道 上柘植(かみつげ)宿《芭蕉の生まれ故郷説を探る 01》文・写真 井上脩身” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その85《1万5,528島》渡辺幸重

新基準による島嶼数(『島へ!』2022年12月号記事より)

 日本は島国です。では、日本に島はいくつあるでしょうか。これまで公式には1987(昭和62)年に海上保安庁が最大縮尺海図と2万5千分の1地図からカウントした 6,852」とされてきました。「満潮高水位1m以上」「周囲0.1km以上」などが基準とされ、北海道、本州、四国、九州の4島や北方四島も含まれます。ところが今年12月、日本の島嶼数を「15,528」とする『新版 日本の島事典』が発刊されました。国土地理院地図基礎データを使って新しい基準「周囲0.1㎞以上の自然島+周囲0.1㎞未満の名前が付いた島」によって数え直したということです。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その85《1万5,528島》渡辺幸重” の続きを読む