写真エッセー《出雲往来#5》片山通夫

さてそのスサノオが高天原から降り立ったのには理由がある。ここにもいろいろな物語があるのだが、簡単に言えばスサノオが高天原で暴れすぎて追放されたのである。追放されたスサノオは日本書紀の一書(あるふみ)によると朝鮮半島の新羅に降り立ったと書かれている。また安芸に降り立ったとか…。
結局は出雲に降り立ち先に述べたようにヤマタノオロチを退治してクシナダヒメと結婚した。

写真エッセー《出雲往来#3》片山通夫

出雲には様々な神様がおられる。それに伴って神秘的な風景や神社が数多存在する。面白いことに 、旧暦に10月には全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲に集まり,出雲以外では神が不在となるために神無月といい,逆に出雲では神在月(かみありづき)という。

写真エッセー《出雲往来#2》片山通夫

稲佐の浜

出雲国には驚くようなエピソードがある。最も筆者が驚いたのは「国譲り」の話。何しろ大国主と言うこの国を治めていた神様が大和朝廷に気前よく国を譲った。この辺りの大国主の神経がわからん。
島根県の観光ナビには「昔々、出雲の国は大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)という神様が治めていました。しかし高天原(天上の神々の国)を治めていた天照大神(アマテラスオオミカミ)はその様子をご覧になり、「葦原中国(あしはらのなかつくに)は我が子が統治すべき」とお思いになりました。
※葦原中国・・・色んな解釈がありますが、ここでは出雲地方を指す解釈」
詳しくはこちら
(明日に続く)

写真エッセー《出雲往来》片山通夫

イメージ

すでによく知られている話だが、出雲王国と呼ばれていた王国が神代の昔にあった。現在の出雲、松江などを中心とした一帯を指す。
知られている話では大国主命、少彦名など出雲の国造りのエピソードやそれ以前の「遺跡」、何しろ伊邪那岐命が妻である伊弉冉尊の後を追って「黄泉の国」へ行ったという出入口である「黄泉平坂(よもつひらさか)」などもかなり有名である。また現実的だが砂鉄からの鉄製品の製造、大国主の国譲りや、出雲大社という「高層神社」があったという話なども、当時の建築技術から考えると驚くばかりである。おそらく当時は竪穴式住居が一般的なのだろうから。

そんな出雲に惹かれた筆者は出雲の国を何度か訪れた。(明日に続く)

参考:出雲国風土記

神宿る。《義経神社の栗の木》片山通夫

北海道では栗の木は石狩、日高地域に自生しているらしい。この写真の栗の木は、奥州衣川で敗れた源義経が、奥州から逃れ日高の地平取の神社に居を構えた時に植えたものと伝えられ、ここ義経神社のご神木として住民に親しまれている。
※平取:平取町(びらとりちょう)は、北海道の日高振興局管内にある町。

お知らせ

Lapiz2023春号Vol.45は昨日で終わりました。
次回の配信は夏号で6月1日からの予定です。
LapizOnlineと兄弟サイトともいうべき
もよろしくお願いします。

京都奇譚《あわわの辻》山梨良平

百鬼夜行の図

百鬼夜行とは「さまざまな妖怪が、夜、列をなして徘徊すること」を言う。
平安の昔、京都は現在のように明るい町ではなかった。夜ともなると漆黒の闇と化す大路も多々あった。羅生門なども本来は都大路の正面の門で華麗に色付けされた門だったが、
芥川龍之介の小説が先行し百鬼夜行の住処のような所と化した。

あわわの辻:百鬼夜行に出くわした人々が驚いて、「あわわ…」と言って逃げていく様を言った。

それはともかく平安人たちの中でも貴族たちは百鬼夜行の辻として恐れ、通ることさえ避けた場所がある。大内裏の裏鬼門にあたるこの辻は、「あわわの辻」と呼ばれた。この「あわわの辻」とは百鬼夜行に遭遇して仰天し、「あわわ」と悲鳴をあげて一目散に逃げた様子からと言われているが定かではない。この辻だけではないだろうが、平安人は百鬼を恐れ、運悪く出会うと大病を患うか、死に至る危険があるので油断できないし恐れた。

また捨てる神あれば拾う神ありで、我らが安倍晴明がまだ幼かった頃の話。師匠の賀茂忠行の供をして歩いていて百鬼夜行に遭い、いち早く気づいて忠行に知らせたおかげで難を逃れたというエピソードが伝わる。安倍晴明はこのように有能だったらしい。

また「今昔物語集」や「大鏡」には、この辻で貴族が百鬼夜行に遭い、尊勝陀羅尼(そんしょうだらに)の護符を衣に縫いつけていたため難を逃れたという話が載る。尊勝陀羅尼の護符は、百鬼夜行に威力を発揮した話があって、その時は護符が火を噴いたので、妖怪たちは慌てふためいて逃げ去ったそうだ。
また妖怪たちもむやみに出るわけでもなさそうで、「忌夜行日」という日があってその日には出来るだけ出かけないようにしなければならないと言われていた。

いずれにしても「あわわの辻」とは、なんとも愛嬌のある名でもある。

※お断り:「忌憚」という文字を意味が違いますので本来の「奇譚」と書き換えます。

京都奇譚《陰陽師 不思議をつかさどる》山梨良平

怨霊と化した菅原道真

陰陽師(おんみょうじ、おんようじ)は、古代日本の律令制下において中務省の陰陽寮に属した官職の1つで、陰陽五行思想に基づいた陰陽道によって占筮(せんぜい)及び地相などを職掌とする方技(技術系の官人。技官)として配置された者を指す。中・近世においては民間で私的祈祷や占術を行う者を称し、中には神職の一種のように見られる者も存在する。 https://onl.sc/DA46RtT “京都奇譚《陰陽師 不思議をつかさどる》山梨良平” の続きを読む