Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #1》山梨良平

ロシア革命

一般に我が国の仮想敵国は中国や北朝鮮と言われている。過去に帝政ロシアは我が国と戦ったことがある。19054年から1905年のことだった。いわゆる日露戦争である。幸いにして我が国の勝利に終わったことは周知の通りだ。
日本が勝利した背景にロシアの内政問題があったことは言うまでもない。帝政ロシアは農奴開放によって農民は時の支配者に抵抗した。 “Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #1》山梨良平” の続きを読む

原発を考える《大手を振り始めた原発プロパガンダ》文・井上脩身

『原発プロパガンダ』の表紙

 岸田文雄首相は8月24日、次世代原発について開発・検討する方針を打ち出した。それまで政府は原発の新増設・建て替えについて「想定していない」としており、前触れのない唐突な方針変更であった。だがこの日、読売新聞が原発に運転再開について初めて賛成が反対を上回ったとの世論調査結果をオンライン上で明らかにしており、岸田首相はマスコミの動向を注視したたうえで方針を示した可能性をうかがわせた。福島第一原発の事故後、原発推進を後押しする論調は影を潜めていたが、ウクライナ戦争によってエネルギー問題が深刻化するなか、原発推進派マスコミが大手を振りはじめた。 “原発を考える《大手を振り始めた原発プロパガンダ》文・井上脩身” の続きを読む

原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明

北朝鮮のミサイル

なんでも仮想敵国から攻撃を受ける前にこちらから先制攻撃できるように閣議決定したとか。16日に閣議決定された安全保障3文書の改定で、新たに保有することになったのが「敵基地攻撃能力(反撃能力)」だ。
何のことはない、「やられる前にやっちまえ」ということのようだ。ロシア、北朝鮮や中国を想定していると、これは大変なことだと想像がつく。 “原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明” の続きを読む

Opinion《防衛費と大災害》貝塚次郎

初めに

内閣府がまとめ2019年4月に発表された資料によると、南海トラフ地震の被害の想定によると次のようになります。

時期         2035年を中心に前後5年(地震予測モデル)
想定規模       マグニチュード9.1(東日本大震災の約10倍の規模)
想定震度7の地域   10県 151市町村
津波の高さ      最大34m  到達時間 最短2~3分(高知・和歌山)
想定される被害地域  静岡県から宮崎県 地域人口 約6600万人
想定される被害
死者          32万人
建物の倒壊      約238万戸
避難者(1週間後)  960万人
食料の不足      9600万人分
経済的被害      220兆3000億円

上記が今後十数年の間に必ず起こる南海トラフ地震の概略です。 “Opinion《防衛費と大災害》貝塚次郎” の続きを読む

Lapiz22夏号Vol.42 OPINIPN【日本国民は戦争で人を殺し殺されることをやるのか】渡辺幸重

~参院選後に日本は戦時体制に移行する~     「ちきゅう座」より転載

日本は今、戦前と同じように戦争への道を進んでいます。戦前と異なるのはアメリカの世界戦略の中にがっちりと組み込まれていることで、戦争忌避に向けての外交努力は戦前よりもむしろ少なく、平和を求める国の意思はどこにも感じられません。権力をチェックするべきマスコミも野党も牙を抜かれ、国民世論は軍備強化を許す傾向に流れています。7月10日実施の参議院議員選挙は自公政権の勝利が予測されており、選挙後の日本は軍備が強化され、国民は権利を剥奪され、生活と生命が脅かされる戦時体制同様の社会になるでしょう。戦争がいつ起きても不思議ではない状況になるのです。はたして日本国民は自分たちの生存に関わるこのような状況について、いつ議論し、いつ決めたのでしょうか。来たるべき選挙で「戦争反対」の意思を示さなければ声を挙げる機会は奪われてしまうでしょう。私たちは今、人を殺し、人に殺される戦争を目の前にして何をするべきか、しっかりした自覚を持たなければなりません。すべてを決めるのは日本国民なのだから。 “Lapiz22夏号Vol.42 OPINIPN【日本国民は戦争で人を殺し殺されることをやるのか】渡辺幸重” の続きを読む

22年夏号Vol.42 OPINION《改ざんを取り締まる中国》山梨良平

以下のようなニュースを見つけた。驚くなかれ、中国の話だ。

「改ざんは最大の腐敗」中国国家統計局長が警告 “違反”幹部らの責任追及へ
タイトルからして驚くのは「日本の安倍政権時代の話か?」と思ったこと。ニュースは22年6月1日の朝日テレビ。
一方わが国も共産党機関紙赤旗が政府の改ざん・隠ぺいをまとめていたので紹介したい。
「隠ぺい・改ざん・ねつ造…底なし すべての問題 安倍首相の責任」
→公文書改ざん、森友・加計疑惑の真相隠し、自衛隊日報隠ぺい、文民統制の崩壊、財務省セクハラ問題、「働かせ方改悪」のための労働データねつ造、「特別指導」をめぐる疑惑、教育への介入や圧力――。どの問題も根源には、おごり高ぶった安倍政権の強権政治や国政私物化があります。それぞれの問題で何が問われているのか、疑惑解明のために何が必要か、改めて見てみました。

最近のデータでも各省庁の改ざん・水増しなどの不正が横行していると指摘されている。

福田元首相も財務省決裁文書改ざん等一連の政府対応に次のように苦言を述べた。
⇒公文書管理の強化に取り組んできた福田元総理大臣は、財務省の決裁文書の改ざんについて「行政的には決着したと言われているが、簡単に割り切れるか政治も考えなければならない」と述べ、一連の政府の対応に苦言を呈しました。また公文書管理の重要性について「健全な民主主義を進めるためには国民が真実を知ることが大事だ。作成すべき文書が作成されず、保存すべき文書が保存されていないのであれば、国民に対する背信と言わざるをえない」と指摘した。

中国では国家統計局の局長が「改ざんは最大の腐敗で政府統計の信頼への最大のダメージ」と述べたと報道にある。そのうえで「幹部などを厳しく取り締まる」と述べた。先月には地方政府の党関係者ら100人が処分された。
残念ながらわが国では処分の話は寡聞にして聞かない。それどころか改ざん・隠ぺいした役人は「出世して」いる。

原発を考える《ロシア軍がウクライナの原発を占拠した》一之瀬明

人類が永遠の電力を手に入れたのか、はたまた地獄の業火を弄んだのか。我々は原子力と言う魔法のエネルギーを手に入れたようにも思える。その最たるものが原子力発電所である。何事もなければこんな良いものはないともてはやされてきた。しかしながら1986年4月に起きたウクライナのチエルノブイリでの爆発事故がその印象を一変させた。 強制移住等:数十万人以上、 死者:33人(4,000人とも (IAEA公式見解、異論有))と言われているが明確ではない。

ウイキペディアによると「チエルノブイリ原発は1986年4月26日午前1時23分に、ソビエト社会主義共和国連邦の構成国、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故である。のちに決められた国際原子力事象評価尺度では深刻な事故を示すレベル7に分類された」とある。

そのチェルノブイリ原発をロシア軍はウクライナ侵攻時に制圧したというニュースが流れた。《素手で放射性物質 ロシア兵、チェルノブイリで相当量の被ばくか・毎日新聞》、《ロシア軍、チェルノブイリ原発の森で塹壕掘って被ばくか ウクライナ当局、高レベル放射性物質の盗難も発表 ・東京新聞》、《ロシア軍、チェルノブイリから放射性物質盗む ウクライナ・時事》などなど、素人考えながら恐ろしい事件が起こっている。ロシア兵が無知なのかわからないが、これらの報道が事実ならば、ロシア兵は相当の放射能被害を受けているはずである。「素手で放射性物質に」などもってのほかの行為だ。

プーチンはこの事実を知っているのか、原発占拠の命令は誰が下したのか、死の森で塹壕を掘れと命令を下したのはだれか。今後の解明を待たれる。

原発はこのように危険だ。ヒロシマやナガサキの例を見るまでもない。放射性物質の人体に与える影響はその時の「死」だけではない。人体に入り込んで長年続く。チェルノブイリ原発の制限区域を訪れたウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は、「(ロシア兵は)放射性物質で汚染された地面を掘り、土のうを作るため土を集め、そのほこりを吸い込んだ」とフェイスブックに投稿。「このように1カ月にわたって被ばくすると、彼らの余命は最大でも1年だ」とし、「ロシア兵の無知は衝撃的だ」と記している。 やはり原発は危険だ。

<沖縄の日本復帰50周年>《「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」の意味》渡辺 幸重

今年の5月15日で沖縄は日本復帰50周年を迎えました。この日を前に玉城デニー・沖縄県知事は5月10日、日米両政府に対して「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を手渡しました。内容は、復帰前に沖縄県民が望んだ「沖縄を平和の島とする」ことが実現されていないことから、あらためて「基地のない平和な島」が沖縄県と日本政府の共通の目標であることを確認し、米軍普天間飛行場の速やかな運用停止や名護市辺野古の新基地建設断念、日米地位協定の改定などを求めるものです。では、なぜこれが「新たな建議書」なのでしょうか。実は、50年前にも沖縄から日本政府と国会に向けて建議書が出されているからです。 “<沖縄の日本復帰50周年>《「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」の意味》渡辺 幸重” の続きを読む