エッセー《四文字熟語が世界を暴く005》山梨良平

【責任回避】(せきにんかいひ):今各氏は必至だろう。なんとか地検特捜の追及から逃れるために・・・。死人に口なしとばかりに「細田前議長がキックバックの金額を具体的に指示か 自民党パーティー券《裏金》問題」と言うニュースまで飛び出す。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/899560

【自縄自縛】じじょう-じばく:自分の言動が自分をしばって、自由に振る舞えずに苦しむこと。自分の縄で自分をしばる意から。口は災いのもとです。
しかししれっと「そんなこと言ったっけ?」と。

 

エッセー《四文字熟語が世界を暴く004》山梨良平

いや、ネタに困らんわ、この政界は。

白河夜船(しらかわよぶね) 京都見物をしたと嘘をついた人が白河のことを聞かれ、川の名前と思い込み、「夜に船で通ったから知らない」と答えたため、嘘がばれてしまった。実はぐっすり寝ていたと言うわけ。国会の場でも時折見かけられる。「恥を知れ!」と言いたい。

巧言令色(こうげんれいしょく)「少なし仁」と続く。
読んで字のごとく。口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること。 人に媚こびへつらうさま。 ▽「巧言」は相手が気に入るように巧みに飾られた言葉。 「令色」は愛想よくとりつくろった顔色。
⇒多いのよ、このような御仁。とにかく票になれば・・・。

天衣無縫(てんいむほう) 天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから、文章や詩歌がわざとらしくなく、自然に作られていて巧みなこと。 また、人柄が飾り気がなく、純真で無邪気なさま、天真爛漫らんまんなことをいう。 また、物事が完全無欠である形容にも用いられることがある。
人はこうありたいものだ。特に政治家は…。

 

エッセー《四文字熟語が世界を暴く003》山梨良平

まだまだ続く四文字熟語だが詳しく書く必要もない事態。

思考停止(しこうていし)物事を考えたり、判断することをやめてしまうことを指す。故意に判断しないことが政治の世界には多いような気がする。その心は判断すれば不利になる。マイナカード担当大臣もかたくなに固執しているがきっと思考は完全に停止状態だと思われる。

付和雷同(ふわらいどう)自分にしっかりした考えがなく、むやみに他人の意見に同調すること、またはその状態を指す。よく見るパターンだ。けどご本人は自分の意見だと信じている場合も。政治家に多い。

以心伝心(いしんでんしん)「センセー。そこはそれ、お判りでしょう?」「おぬしも悪よのう」

エッセー《四文字熟語が世界を暴く002》山梨良平

 

四文字熟語を続けよう。

四面楚歌(しめんそか)敵に囲まれて孤立し、助けを求められないことのたとえ。周りに味方がなく、周囲が反対者ばかりの状況をも言う。孤立無援である。先日も某女性大臣が「捏造文書だ」と国会でわめいていたが味方の自民党からも見放されたと言う情報が流れていた。ご本人にすれば四面楚歌の思いだろう。

神出鬼没(しんしゅつきぼつ)鬼神のようにたちまち現れたり隠れたりして、所在が容易には計り知れないこと。政治家によくいるよね。派手に打ち上げて立場が悪くなると懇意の病院へ入院して身を隠す輩。もしくは外遊と称して一時的に海外に逃げるさまも最近そう思わせる。

思考停止(しこうていし)物事を考えたり、判断することをやめてしまうことを指す。故意に判断しないことが政治の世界には多いような気がする。その心は判断すれば不利になる。マイナカード担当大臣もかたくなに固執しているがきっと思考は完全に停止状態だと思われる。

このような政治家にしか恵まれていない国民こそ思考停止だ。

 

Lapiz エッセー《四文字熟語が世界を暴く001》山梨良平

Screenshot 2023-11-20 at 15-38-40 「エッフェル姉さん」松川るい議員が地元会合でマスコミへの恨み節炸裂「毎日、毎日、デマが流され」 (SmartFLASH) – Yahoo!ニュース

近頃気になることが多い。LINEとかSNSの世界では文章を相手に送るのに、主語やタイトルが書かれていない場合が多い。いきなり「○○した?」と用件。返す方も「まだ・・・」と簡潔に返す。まあ二人の会話だから第三者に読ませたりする必要もないし、それでいいのだろうけど、書いているのが若い人だと文章力が極端に落ちるのではないかと余計な心配をしてしまう。(自分のことは棚に上げています)
そこで思いつくままに昔習った四字熟語を思い出して脳の活性化を図ってみた。名探偵ポアロ曰くの「灰色の脳」の活性化だ。いや、もっと端的に書くと認知症が怖い

四文字熟語集

羊頭狗肉(ようとうくにく)羊の頭を看板にかけ、実際は犬(狗)の肉を売る行為を言う。一種の詐欺である。このことから、上(うわ)べが立派でも中身が伴わないことを、羊頭狗肉というようになった。先ごろの自民党女性局の「パリ研修」などもこれにピッタリ。曰く、「とても実りあるパリ研修」と釈明。

鶏鳴狗盗(けいめいくとう)つまらない技でも役に立つという意味らしい。「史記」に見える孟嘗君(もうしょうくん)の故事による。孟嘗君が秦に捕らわれた際、食客の中に、犬の真似をして物を盗むのが得意なものと、鶏の鳴き真似を得意とするものがいたおかげで、逃げ出すことができた。「つまらぬ技でも役に立つ」というたとえにも用いられる。
「百人一首」の「夜をこめて鶏(とり)の空音(そらね)ははかるともよに逢坂(おうさか)の関(せき)はゆるさじ」(清少納言)はこの故事に寄ったと言う。現代政治の世界でも「派閥を渡り歩いて」、「極端な言を用いて、また厚かましく」目立つ人物がマスコミにもてはやされる政治の世界。そう、杉田水脈氏のように。もてはやすマスコミの見識や如何に?

Lapiz Opinion《無辜の人々の血を流すな!》山梨良平

我が国で知っていそうで知られていない国のひとつにパレスチナ国( State of Palestineがある。地中海東部のパレスチナに位置する共和制国家。国際連合(UN)には未加盟であるが、2021年時点で138の国連加盟国が国家として承認している。この国は1988年11月15日に初代大統領のヤーセル・アラファートがパレスチナの独立宣言を発表し、パレスチナ国を国号として定めた。1993年にパレスチナ自治政府が発足して、長らくイスラエルに占拠されていたパレスチナでパレスチナ人による実効支配が始まった。2012年11月にはそれまでの組織としてではなく、国家として国際連合総会オブザーバーとして承認された。

なお日本が承認していない国は台湾(中華民国)、西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)、ソマリランド(ソマリランド共和国)、それにパレスチナ(パレスチナ暫定自治政府がある。国家として認められないと言うことは、その国自体が国としての体をなしていない場合が大きいと思う。日本の場合、紛争当事国や平和裏に国家が成立した場合が国家と認めることになるようだ。

いま、実質的にパレスチナを代表しているハマス(スラム抵抗運動の略称)がイスラエルに奇襲をかけた。そのハマスはその本拠地をガザ地区に置く。ハマス運動は、パレスチナのスンニ派イスラム原理主義、民族主義組織であり、パレスチナ土地奪還と、パレスチナ人権保護を目的に活動している。社会奉仕組織「ダアワ」と軍事組織「イッズッディーン・アル=カッサーム旅団」を擁する。 (ウィキペディア)

イスラエルはシオニズムと呼ぶ、古代ローマ軍にパレスチナを追われて以来、世界各地に離散していたユダヤ民族が、「母国への帰還」をめざして起こした民族国家建設のための運動を指し一九世紀末から盛んとなり、一九四八年、パレスチナにおけるユダヤ人国家イスラエル共和国を建設、目的をいちおう達成した。 シオン運動ともいう。パレスチナの地に存在するエルサレムと言う町がユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって、それぞれの聖地であることが話をややこしくしてきた。第二次世界大戦後、米英はこの地にイスラエル国を設立することを認め、世界中からユダヤ人がこの地を目指してやってきた。

言い換えればイスラエルの民は古代ローマ軍に追われて以来、世界を放浪していたが4000年後の今、イスラエルに戻ったと言うわけである。しかしそこにはすでにパレスチナ人が住んでいた。そこでこの二者のにらみ合いが始まったと言うわけだと思う。

所でハマスもイスラエルも4000年の歴史の前に今更無辜の人々の血を流さなくってもと思うのは部外者だからかと思うのだが・・・。

原発を考える。《安全な水なら海に捨てるな。》一之瀬明

いわき市の海

報道によると中国が日本産の水産物の放射線量チェックの方法を抜き取りから全量チェックに変更した。検疫で時間がかかり税関で通関出来るころには、新鮮な魚も下手をすれば腐ってしまう。この厳格な措置は福島第一原発の汚染水を、海へ流す計画への対抗措置と見られる。日本の鮮魚の第一の輸出先の中国のこの措置に、日本の弱小業者は倒産の危険が。また香港も同様の禁輸に踏み切った。

福島第一原発は2011年の東日本大震災で、津波による深刻な被害を受けた。以来、汚染水が100万トン以上たまっているという。政府と東電はいま、それを太平洋に放出しようとしている。原発が水を海洋放出するのは一般的なことと言えるが、今回放出しようとしているのが原発事故に絡む副産物であることを考えれば、通常の放射性廃棄物とはいえない。

また福島や近隣の漁業者はいわゆる風評被害を心配する。「汚染水」を「処理水」と言い換えるだけの姑息さに呆れるとともに先の大戦で敗戦を終戦と言い換える姑息さを見るように感じる。有力な政治家の麻生太郎氏は21年4月に「飲めるんじゃないですか、普通」と言ってのけた。もう2年あまりたっているが、「飲んだ」という話は聞かない。

これまでに1000基以上のタンクが満杯になっている。日本はこのタンクに保存措置について、持続可能な長期的解決策ではないと説明。今後30年間かけて、この水を徐々に太平洋に放出したい考えで、水は安全だと主張している。中国は「安全な水なら海に捨てる必要はない」と。

岸田首相は「この先何年でも責任を負う」と言うが、数年前の漁業者との約束も守れない政府がどんな約束をされても信じられないのではないか。

 

Opinion《軍事大国・戦争へと向かう“国家意思”にメディアは抗わないのか》渡辺幸重・ジャーナリスト

―「自衛隊に島を奪われる」と危惧する与那国島に目を向けよう―

この記事はちきゅう座からの転載です。 

「岸田首相は何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」という米『タイム』誌表紙の説明(写真左)は本来、日本のメディアが指摘するべき内容だった。ジャーナリズムを標榜するならば安倍政権時代からの改憲・軍拡路線に対して警鐘を鳴らし、反戦・非戦キャンペーンを展開するべきだった日本のメディアは、日本政府の抗議で『タイム』誌が表現を変えると「外国から変な目で見られなくてよかった」と胸をなで下ろしたようだった。いったい、安保法制や安保3文書改定、防衛費倍増、兵器の爆買い・開発・輸出、琉球弧(南西諸島)へのミサイル配備などをどう考えているのだろうか。この状態は国会や国内世論とともに「軍事大国化は許さない」「戦争をするな」と大騒ぎしてもしすぎにはならないほどだから『タイム』誌も書いたのである。解散・総選挙が近いとささやかれているが、選挙や直接行動で明確な国民の意思が示されなければ国民無視の“国家意思”によって国民の命や生活は踏み潰されてしまうだろう。メディアも国民も正念場に立っている。

沖縄の軍事負担は増大、琉球弧は“軍事要塞列島”に

今年の5月15日で沖縄は日本復帰51年を迎えたが、この間沖縄の米軍専用施設は復帰時より3割以上減ったもののいまなお全国の在日米軍専用施設面積の約7割が沖縄に集中し、逆に自衛隊専用施設は復帰時の4.6倍に増えた。合計した沖縄の軍事負担は2019年以降増加を続け、軽減どころか増加しているのが実態だ。自衛隊基地は与那国島、石垣島、宮古島に新設され、沖縄島などでも拡大が続いている。鹿児島県では奄美大島に自衛隊基地ができ、馬毛島では米軍のFCLP(陸上空母離着陸訓練)も行う自衛隊基地の建設が始まった。沖縄は復帰後も変わらぬ「基地の島」であり、沖縄を含む琉球弧(南西諸島)全体が軍事要塞化されるという「軍事要塞列島」まっただ中にある。

電子戦部隊・空港拡張・港湾整備・ミサイル配置と軍備増強が進む与那国島

先島諸島では、2016年3月28日に与那国島、2019年3月26日に宮古島、そして今年の3月16日に石垣島に陸上自衛隊の駐屯地が開設され、3月18日には石垣島にミサイルが運び込まれた。
その与那国島ではいま、住民の間に大きな動揺が広がっている。当初は「自衛隊は沿岸監視部隊だけ」「米軍が来ることはない」と聞かされていたのに目の前で急速に軍備拡張が進んでいるからだ。昨年4月には航空自衛隊第53警戒隊与那国分遣班が配備され、11月の日米共同統合演習「キーンソード」では与那国島にアメリカの海兵隊員約40人が乗り込んで演習が行われ、重火器を備えた自衛隊の機動戦闘車が住民の目の前で公道を走行した。その物々しい光景は“静かで平和な島”の住民を戸惑わせるのに十分だった。12月に「安保3文書」が閣議決定され、2023年度予算案には与那国駐屯地への電子戦部隊配備に加えて地対空誘導弾(ミサイル)部隊を置くための土地(約18ha)取得などが盛り込まれた。このままでは与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島と琉球弧沿いにずらっと大陸に向いたミサイルが並ぶだろう。

防衛省は沖縄復帰の日に当たる今年の5月15日、与那国島で「与那国駐屯地への地対空誘導弾部隊配備に関する住民説明会」を開催した。そこには約150人の町民が出席。防衛省は、空からの攻撃を防ぐため中距離地対空誘導弾部隊を配備するとし、配備するミサイルは「他国を攻撃するものではない」と説明した。すなわち「敵基地攻撃能力(反撃能力)」はないというのだ。しかし、これは誰も信用してはいない。今年1月、アメリカ政府は計画していた地上発射型中距離ミサイルの在日米軍への配備を見送るという報道が流れたが、その理由は日本が敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルの保有を決めたからだとしており、日本政府が琉球弧に長射程ミサイルを並べようとしているのは明らかだ。
与那国町の糸数健一町長は台湾有事を見据え、大型旅客機・大型船舶による町民の島外避難のために与那国空港滑走路の500m延伸と南部の比川集落への港湾新設を政府に要望したという。これは自衛隊のF35戦闘機の離着陸や自衛隊の護衛艦の接岸などを可能とする軍民共用施設の整備を意味する。沿岸監視だけのはずだった与那国島の軍事施設は、地対空ミサイル部隊基地、与那国空港の軍事的拡張、比川地区への港湾計画(軍港)と際限なく増殖しようとしている。地元ではどこで何が決まったかわからないまま「防衛は国の専管事項」「機密は公開できない」「まだ決定ではない」という説明だけで、軍拡という現実だけが急速に進んでいる。一方、ほとんどの国民は“前線”の緊迫した実態を知らないか知ろうとしないままでいる。

武力攻撃事態で「沖縄本島は屋内避難、先島諸島は九州に避難」

今年の3月17日、沖縄県は武力攻撃事態の際に住民を避難させるための「国民保護図上訓練」を行った。国や与那国町、石垣市、宮古島市なども参加して先島諸島などから沖縄県外に避難する手順を検討したが、その後、沖縄本島は屋内避難、先島諸島の約12万人は九州に避難させる方針が決められた。
与那国島では昨年11月30日に「国民保護法に基づく弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練」が町民22人の参加で実施された。サイレンが鳴ると走って公民館に逃げ込み、頭を両手で抱えてかがみ込むという訓練だったが、訓練の意義に疑問を持つ人も多く、参加者が激減したようだ。また、与那国町は台湾有事を想定して事前に島外避難する町民に対して避難のための交通費や生活資金などを支給する基金の設置を決めている。
2023年度防衛予算には自衛隊施設の司令部を地下化する費用が含まれており、沖縄島の陸上自衛隊那覇駐屯地、航空自衛隊那覇基地、那覇病院など全国6ヶ所が対象になっているが、民間人が逃げ込む場所はない。与那国町は政府に避難シェルターの設置を求めており、自民党の「シェルター(堅固な避難施設)議員連盟」は5月22日、与那国町、石垣市、竹富町を訪れ、住民が避難できるシェルター設置に対する財政支援を政府に促すと約束した。
現地では、“脅威”が煽られ、“不安”が増幅させられることが日常的に続いている。 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の軍事偵察衛星発射に備えるとして宮古島・石垣島・与那国島に展開したPAC3(地対空誘導弾パトリオット)部隊もその機能を果たしている。

「国にだまされた」――誘致派の元町長・元議長がミサイル配備に反対を表明

これらの動きに対して、とうとう我慢できなくなった自衛隊基地誘致当時の町長や町議会議長がミサイル配備反対の声を上げた。
外間守吉・元町長は「ミサイル部隊の誘致だけはどうしても阻止しなければならない」と断言。日本はアジア外交政策を持っていないことを危惧し「私たち保守のグループでもミサイル配備阻止に向け、運動を起こしていこうと話しあっている」と言う。また、前西原武三・元議長も「ミサイル配備は絶対認めてはならない」とし、その理由を「軍事の島になってしまい、島民が安心して生活する環境は失われるかもしれないという強い不安がある」と語る。「国にだまされたような気がして、誘致に賛成したのは正しかったのかと自問自答している」という葛藤も吐露している。

国は与那国島を「全島無人化・全島要塞化」しようとしているのではないか

また、山田和幸さんらミサイル配備に反対する与那国町の住民3人は5月10日、沖縄県・沖縄県議会への要請文、沖縄防衛局への質問状を提出。国に対してはミサイル攻撃の際の島の安全確保、沖縄県議会からの「外交による平和構築を政府に求める意見書」などについての見解を求めた。
同行した「ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会」発起人の新垣邦雄さんによると、3人は与那国島が“人の住まない島、住めない島”になるのではないかという切実な思いで直訴に及んだと言う。山田さんらは「県が全島避難計画、町も全島避難要領を出し、防衛省は大規模な基地建設を計画している。住民を追い出し全島要塞化する狙いではないか」と危惧しているのだ。国は与那国島を、第二次世界大戦“玉砕”の島・硫黄島のような「住民がいない自衛隊基地の島」にしようとしているのではないか。そうでないなら、国はなぜ軍拡が必要か、山田さんら地元住民が納得するまで説明しなければならない。

自衛隊誘致につぶされた「島の自立へのビジョン」

実は、与那国島は自衛隊誘致がささやかれ始める2007年頃までは自立・自治・共生を基本理念に据えた「与那国・自立へのビジョン」「与那国自立・自治宣言」を掲げ、姉妹都市である台湾・花蓮市との交流を足がかりに国が進めている構造改革特区を活用して“国境交流を通じた地域活性化と人づくり”を進めようとしていた。これが全国的に話題を呼び、実現するかと思われたものの2度にわたる特区申請は2006年、2007年とも国に却下され、島の振興策は自衛隊誘致へと流れが変わった。2007年6月には米国のケビン・メア在沖縄総領事と米海軍掃海艇が地元の反対を押し切って与那国島に入港し、翌年1月には島に防衛協会が設立された。日本政府による自衛隊受け入れの働きかけや締め付けは相当強かったようだ。
自立へのビジョンプロジェクトの初代事務局長や2007年4月に開設した与那国町の花蓮市連絡事務所初代所長を務めた田里千代基さんは「もしも特区申請が通っていたら、自衛隊誘致は潰せたと思う」と断言。今でも集会などで「自立ビジョンはあきらめていない」と訴えている。
与那国・自立へのビジョンは自民党の有力者も評価し、実現への協力を表明したという。それが“国策”の自衛隊基地建設によってひっくり返された。人口減少対策と経済振興をねらって沿岸警備隊を誘致したら中国に向けたミサイルまでやってくるという。“国境の島”として交易・交流を考えていた安全・安心の島がまったく真逆の、軍事部隊が対峙する危険極まりない島になりそうなのである。

国家権力に戦争をさせないのがメディアの責務

そこで、冒頭の問いに戻るが、日本のメディアはこのような与那国島の現実に目を伏せたままでいいのか、ということなのだ。この経過を見るに、ほとんどが日本政府の政策や対応が問題であり、「国際情勢」や「地政学的位置」を理由に国境に接する与那国島に“迷惑施設”である軍事施設と部隊を押しつけている。まずは国の施策や国民全体の姿勢を問うべきであろう。
日本のメディアは、岸田政権が「平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にし」、戦争への道を突き進んでいることを『タイム』誌以上に叫ばなければならない。その根拠は与那国島の例一つでも十分であろう。メディアは社運を賭しても国家権力に戦争をさせてはならないのだ。

Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #3》山梨良平

勇ましく閣議だけで重要な国民の運命を左右することを決定した岸田内閣だが、果たしてことの重要性をどこまで理解しているのだろうか。
《日本の防衛体制強化をロシアが批判、「抑制のきかない軍事化」 》とはローター電が伝えたロシアの反応。 “Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #3》山梨良平” の続きを読む

Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平

 そんな折に日本の岸田首相は「閣議決定」という無謀な手で、敵基地攻撃能力を持つことにし、「防衛力」という「戦力」に「先制攻撃」を付け加えた。敵基地攻撃能力とは、弾道ミサイルの発射基地など敵国の基地や拠点などを攻撃する装備能力。 反撃能力ともいう。戦後の平和主義から一変した政策である。 “Opinion《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平” の続きを読む