げんし人
勘太は校門のところでイッ子せんせいをまっている。隆三のおとうさんから「げんし人がよこ穴にすんでた」と聞いたので、げんし人とよこ穴のことをたずねてみようと考えたのだ。
せんせいが自転車でやってきた。
「あら、勘太くんじゃないの」
いつもおどおどしているのに、きょうはどうしたの? というおどろきの目で勘太をみつめる。
「げんし人ってどんな人ですか」
「げんし?」
「よこ穴にすんでた人です」
「あ、原始人ね。原子爆弾かとびっくりしたわ」
せんせいはククッとわらう。
「じゃあ職員室にいらっしゃい」
イッ子せんせいのつくえは職員室の窓のところ。入り口でもじもじしていると、せんせいが「こっちよ」と手でまねいてくれた。 “アカンタレ勘太<3> いのしゅうじ作” の続きを読む