原発を考える。《ああ、原子力村》一之瀬明

中国は23年11月15日現在、まだ日本の海産物を全面輸入禁止にしている。理由は岸田政権が「炉心に触れた冷却水」をアルプスで220の核種を68と少なくして海水で薄めて海に流していることのようだ。
当然岸田政権や東京電力はそれで「安全」だと理論的にも科学的にも断言できるとしている。前もって書いておくとチェルノブイリ(旧ソ連)やスリーマイルズ島(アメリカ)では排出されて「炉心に触れた水」は排出されていなかった。デブリに触れた水を排出するのは福島がはじめてである。175万トンもある水をこれから30~50年かけて海に流すことになる。またチェルノブイリでは「炉心が暴走して水蒸気爆発がおき、炉心がむき出し」になったので、炉全体をコンクリートや鉛で混ぜ合わせ核燃料を冷却しなくても臨界が起きないようにした。福島では炉心がむき出しになっていなくそれができなかった。つまり冷却水が必要だったわけである。
当面汚染した冷却水をアルプスで除染するしかないわけである。
誤解しないでおいてほしいが、この作業では単にむき出しの炉を水で冷却するだけであり、根本的な解決にはならない。デブリを取り出して別の所に安全に保管しなくてはならないが、今のところ、この見込みは皆無のようだ。

最後に、福島原発事故は 電源喪失を心配した共産党議員の質問に対して「大丈夫です。ちゃんとやってます と答弁し全く何もしていなかった 。これは故安部氏や東電のいい加減な安全認識でもあった。

それが今、岸田総理と東電が「処理水」は安全だと言うがまさにのど元過ぎればと言うわけである。かように原子力村の結束は堅くゆるぎないことを見せつけられている。そして国民は賛否で分断させられている。

原発を考える。《安全な水なら海に捨てるな。》一之瀬明

いわき市の海

報道によると中国が日本産の水産物の放射線量チェックの方法を抜き取りから全量チェックに変更した。検疫で時間がかかり税関で通関出来るころには、新鮮な魚も下手をすれば腐ってしまう。この厳格な措置は福島第一原発の汚染水を、海へ流す計画への対抗措置と見られる。日本の鮮魚の第一の輸出先の中国のこの措置に、日本の弱小業者は倒産の危険が。また香港も同様の禁輸に踏み切った。

福島第一原発は2011年の東日本大震災で、津波による深刻な被害を受けた。以来、汚染水が100万トン以上たまっているという。政府と東電はいま、それを太平洋に放出しようとしている。原発が水を海洋放出するのは一般的なことと言えるが、今回放出しようとしているのが原発事故に絡む副産物であることを考えれば、通常の放射性廃棄物とはいえない。

また福島や近隣の漁業者はいわゆる風評被害を心配する。「汚染水」を「処理水」と言い換えるだけの姑息さに呆れるとともに先の大戦で敗戦を終戦と言い換える姑息さを見るように感じる。有力な政治家の麻生太郎氏は21年4月に「飲めるんじゃないですか、普通」と言ってのけた。もう2年あまりたっているが、「飲んだ」という話は聞かない。

これまでに1000基以上のタンクが満杯になっている。日本はこのタンクに保存措置について、持続可能な長期的解決策ではないと説明。今後30年間かけて、この水を徐々に太平洋に放出したい考えで、水は安全だと主張している。中国は「安全な水なら海に捨てる必要はない」と。

岸田首相は「この先何年でも責任を負う」と言うが、数年前の漁業者との約束も守れない政府がどんな約束をされても信じられないのではないか。

 

怒りを込めて振り返れ!《ヒロシマ・サミット》一之瀬明

G7サミットという世界の裕福国と自認する国の祭りが終わった。舞台はヒロシマ。なんでも今年の議長国である日本の首相の選挙区なのだそうだ。つまりG7サミットという祭りの舞台装置に自分の選挙区を抜け目なく利用したわけだ。そして広島はあのヒロシマでありそこに原爆を落とした米国の大統領も参加した。

せっかくのヒロシマであり、不幸なことにロシアという核保有国が隣国ウクライナに侵攻している最中のG7サミットなのだから、軍事侵攻をやめるようロシアに働きかけるなり、中国や第三国の仲介を提案するなりすればいいのに、私から見たら「寄ってたかってロシアを糾弾し」ウクライナ大統領を遠い日本に呼び寄せて「お前は悪くない、喧嘩の武器をもっと支援するから思う存分戦って来い!」と言わんばかりの一部始終だった。

一方、せっかくのヒロシマなのだからと慰霊碑に厳粛な表情で献花し、資料館を訪れた首脳たちだが、展示品などを前にどのような表情を浮かべたのかも、完全非公開だったのでまったくわからなかった。「G7首脳に被爆の実相を見てもらう」とは岸田首相の減だったが。また肝心の核軍縮に向けた声明「G7首脳広島ビジョン」について「新しい内容がなく期待外れ」だったと国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長。

つまり筆者に言わせると「なんでヒロシマやねん!」であり、首相の選挙区だからか?と言いたくもなるわけだ。」

 

3・11特集 怒りを込めて振り返れ「地震、津波に原発事故」一之瀬明

福島県浪江町

あの東日本大震災は世界にとっても忘れられない大事件だった。最近になっても大きな地震は世界中とは言わないが起こっている。この瞬間(2月末日)にもトルコやシリアでは寒さに震えながら余震におびえている人々がいる。昔から「地震、雷、火事、おやじ」と言って恐れたものだ。調べてみたら江戸時代にはすでにそう言われていたとあった。
地震は、いつ起こるのかまったく予想ができないので、一番怖い。雷は落雷で火事や死亡事故を起こすので二番目に怖い。しかし天気読んで(農業者や漁業者、船乗りなど)、発生や雷雲の動きを予知できるところが二番目。火事は、消すことができるし、逃げることもできるので、三番目。最後に親父は、そこそこ気をつかっていけば、そんなに叱られないので、四番目に怖いというのがその説らしい。 “3・11特集 怒りを込めて振り返れ「地震、津波に原発事故」一之瀬明” の続きを読む

原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明

北朝鮮のミサイル

なんでも仮想敵国から攻撃を受ける前にこちらから先制攻撃できるように閣議決定したとか。16日に閣議決定された安全保障3文書の改定で、新たに保有することになったのが「敵基地攻撃能力(反撃能力)」だ。
何のことはない、「やられる前にやっちまえ」ということのようだ。ロシア、北朝鮮や中国を想定していると、これは大変なことだと想像がつく。 “原発を考える《敵基地攻撃能力と原発》一之瀬明” の続きを読む

怒りを込めて振り返れ《日本の「保守派」の情けなさ》一之瀬 明

故文鮮明氏

過日下のような書き出しの毎日新聞記事を見つけた。タイトルは「旧統一教会・文鮮明氏、天皇・領土巡り保守派と相いれぬ発言判明」 。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が2002年に韓国内で信者に向けて行った説教で、日本の天皇を「平凡」と表現し、その約2年後には長崎県の対馬を「韓国の土地」と明言していた。韓国語で記された文氏の発言録全615巻の中から毎日新聞が当該部分を確認・翻訳し、判明した。(毎日新聞22/11/24電子版)
カルト宗教のことだから、内部でこのような発言をおそらくは繰り返していたことは、想像に難くない。しかし我が国の政権与党が戦後間もないころから、くだんの宗教にはまる、もしくは選挙対策としても同調し挙句の果ての票頼みとはかなり情けない状況だ。 “怒りを込めて振り返れ《日本の「保守派」の情けなさ》一之瀬 明” の続きを読む

怒りを込めて振り返れ!《原発を考える 002》一之瀬明

前日の続き
北朝鮮のミサイルが・・・。核実験が・・・。台湾有事にどうする?こんな時代に原発の再稼働や新設?どうかしてる。

共同通信が先月(8月24日)伝えた。
「デブリ年内搬出断念へ 福島第1原発、1年延期か」

東京電力福島原発

東京電力福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の取り出しについて、政府と東電が目標としていた年内の作業開始を断念する方向で検討していることが24日、関係者への取材で分かった。取り出しに使うロボットアームの開発の遅れなどが原因。東電は1年程度遅らせる方向で調整している。延期は2回目。
事故でできたデブリの取り出しは第1原発の廃炉作業の最難関。政府と東電は、2041~51年に廃炉を完了する目標を維持するが、使用済み核燃料の搬出など他の主要工程も延期が相次いでおり、目標通りにいくかどうかは不透明だ。

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怒りを込めて振り返れ!《原発を考える》一之瀬明

原発の再稼働・新設目指す岸田内閣

広島平和記念資料館で

8月はヒロシマ・ナガサキの2都市に原爆投下されて敗戦が決まった月だ。
一方現在の世界の情勢は決して穏やかな状況とは言えない。ロシアがウクライナに侵攻し、町を破壊し、そこに住む人々を殺戮し続けている。わが国の周辺では台湾をめぐる米中の緊張が過去になく高まっている。ロシアは「北海道に興味を示し」、「中国は台湾統一」を公言している。北朝鮮は核武装にいそしみ、これらの緊張に乗じている形だ。国内ではこれらの状況を踏まえて「核武装論」まではともかく「核共有論」が飛び出し、防衛予算も過去最高に膨張している。わが国には54基の原発があり政府は電力の安定供給を目的に、再稼働はおろか、新規の原発の設置もを視野に入れていると報道にあった。 “怒りを込めて振り返れ!《原発を考える》一之瀬明” の続きを読む

原発を考える《ロシア軍がウクライナの原発を占拠した》一之瀬明

人類が永遠の電力を手に入れたのか、はたまた地獄の業火を弄んだのか。我々は原子力と言う魔法のエネルギーを手に入れたようにも思える。その最たるものが原子力発電所である。何事もなければこんな良いものはないともてはやされてきた。しかしながら1986年4月に起きたウクライナのチエルノブイリでの爆発事故がその印象を一変させた。 強制移住等:数十万人以上、 死者:33人(4,000人とも (IAEA公式見解、異論有))と言われているが明確ではない。

ウイキペディアによると「チエルノブイリ原発は1986年4月26日午前1時23分に、ソビエト社会主義共和国連邦の構成国、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故である。のちに決められた国際原子力事象評価尺度では深刻な事故を示すレベル7に分類された」とある。

そのチェルノブイリ原発をロシア軍はウクライナ侵攻時に制圧したというニュースが流れた。《素手で放射性物質 ロシア兵、チェルノブイリで相当量の被ばくか・毎日新聞》、《ロシア軍、チェルノブイリ原発の森で塹壕掘って被ばくか ウクライナ当局、高レベル放射性物質の盗難も発表 ・東京新聞》、《ロシア軍、チェルノブイリから放射性物質盗む ウクライナ・時事》などなど、素人考えながら恐ろしい事件が起こっている。ロシア兵が無知なのかわからないが、これらの報道が事実ならば、ロシア兵は相当の放射能被害を受けているはずである。「素手で放射性物質に」などもってのほかの行為だ。

プーチンはこの事実を知っているのか、原発占拠の命令は誰が下したのか、死の森で塹壕を掘れと命令を下したのはだれか。今後の解明を待たれる。

原発はこのように危険だ。ヒロシマやナガサキの例を見るまでもない。放射性物質の人体に与える影響はその時の「死」だけではない。人体に入り込んで長年続く。チェルノブイリ原発の制限区域を訪れたウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は、「(ロシア兵は)放射性物質で汚染された地面を掘り、土のうを作るため土を集め、そのほこりを吸い込んだ」とフェイスブックに投稿。「このように1カ月にわたって被ばくすると、彼らの余命は最大でも1年だ」とし、「ロシア兵の無知は衝撃的だ」と記している。 やはり原発は危険だ。

原発を考える《怒りを込めて振り返れ! 原発》一之瀬明

チェルノブイリ原発4号機

ウクライナ政府は2022年2月24日、ロシア軍がチェルノブイリ原発を占拠したと発表した。ミハイロ・ポドリヤク大統領顧問は、ロシアによる「全く無意味な攻撃」は「今日のヨーロッパにおける最も深刻な脅威の一つ」だと述べた。
また最近になって、プーチンはロシアの核戦力部隊に戦闘態勢に入るよう命令した。どうもロシア軍、いやプーチンは最後には核を利用することも作戦の一つと考えているような気がする。しかし火遊びにしては危険すぎる。ロシアの政治体制がどの様になっているのかわからないが、「核のボタン」をプーチンが押すと決めた場合、プーチンのそばにいる誰かがそれを止めることが出来るのか。またプーチンの精神状態などをチェックする体制もあるのか。いささかどころでなく心もとないことである。 “原発を考える《怒りを込めて振り返れ! 原発》一之瀬明” の続きを読む