連載コラム・日本の島できごと事典 その18《通気口の島》渡辺幸重

三池炭鉱模式断面図B

盆踊りでおなじみ、「♪月が出た出た」の炭鉱節は九州・三池炭鉱の歌です。父親が宴会でいつも歌っていました。私は子どもの頃に「男は炭鉱に、女は紡績に働きに行ってどっちも肺を病んで帰ってくる」と聞いた記憶があり、炭鉱にはどんよりと暗く重いイメージしかありません。映画や本や爆発事故のニュースでも悲惨さだけが伝わりました。大人になって筑豊の炭鉱住宅に泊まったときに、目の前に巨大なぼた山が迫り、その迫力に圧倒され、炭鉱が国家の大きな力によって動かされていたことを知りました。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その18《通気口の島》渡辺幸重” の続きを読む

春の宵物語《流氷に近い駅》片山通夫

網走から釧路へJR釧網本線が200分前後をかけて走っている。3時間半程度かかる計算だ。網走を出てしばらくすると、オホーツク海に沿って南下する。途中に北浜という駅がある。ホームはオホーツク海に面している。何もないが何もないところがすばらしい。 蛇足ながらここあたりは北緯44度らしい。 “春の宵物語《流氷に近い駅》片山通夫” の続きを読む

春の宵物語《流氷の話002》片山通夫

アムール河口付近地図

流氷はアムール川の河口で生まれてオホーツク海を南下してくるということは前回書いた。オホーツク海は海というくらいだから海水、つまり塩水である。では流氷の氷は塩っ辛いのか?答えは若干塩っ辛いということらしい。アムール川の河口あたりは氷点下30度にもなる。ちなみに3月6日は最高気温マイナス19度、最低気温マイナス33度ということらしい。塩水は濃度にもよるけどマイナス20度でも凍らない。つまりアムール川の河口付近はほとんど真水なのでこれが凍って流れ出して流氷となるのかもしれない。
つまり流氷はアムール川の水がオホーツク海に流れこみ、塩分濃度が薄まった部分が冷やされて氷になるというわけ。(知らんけど。)

 

2021Lapiz春号Vol.37 目次

おかげさまでLAPIZ ONLINE2021春号はすべて掲載いたしました。
改めて掲載内容をご紹介いたします。

LAPIZ ONLINE

LAPIZ2021春号 Vol.37《Lapizとは》Lapiz編集長 井上脩身

Lapiz 2021春号《巻頭言》井上脩身編集長

春の宵物語《春宵一刻値千金》片山通夫

シリーズ とりとめのない話《あの一言》中川眞須良

breath of CITY 》北博文

連載コラム・日本の島できごと事典 その14《笹森儀助》渡辺幸重

春の宵物語002《流氷の話001》片山通夫

あれから10年。

あれから10年《国民主権を実態化するにはやはり“選挙”しかない》渡辺幸重

あれから10年《東日本大震災》中務敦行

あれから10年《東日本大震災》Lapiz編集長 井上脩身

あれから10年《東日本大震災》片山通夫

シリーズ とりとめのない話《あの一言002》中川眞須良

連載コラム/日本の島できごと事典 その7《メガソーラー》渡辺幸重

連載コラム・日本の島できごと事典 その15《気仙沼大島》渡辺幸重

編集長が行く《尾形光琳の傑作と多田銀銅山 001》Lapiz編集長 井上脩身

編集長が行く《尾形光琳の傑作と多田銀銅山 002》Lapiz編集長 井上脩身

シリーズ とりとめのない話《あの一言 003》中川眞須良

春の宵物語004《雪解け》片山通夫

原発を考える。《全電源喪失した海外の原発 ~過去の事故例から見る重大責任~》井上脩身

原発を考える。《本当に大丈夫か、東京電力》一之瀬 明

びえんと《「アンダーコントロール」を中心に安倍前首相発言のウソを考える》Lapiz編集長 井上脩身

コロナ《アメリカファーストからの転落~コロナ蔓延世界最悪の意味~》井上脩身

昭和の引き出し《記憶と希望 京都国際高校》元民族新聞記者 鄭容順

コロナ企画・投稿《微妙に変化してきた五輪対応とコロナ》匿名希望

小田真のドローンの世界《冬》

山陽道・明石宿《蕪村の足跡をたずねて》文・写真 井上脩身

連載コラム・日本の島できごと事典 その16《米軍基地》渡辺幸重

読切連載アカンタレ勘太 8《アトムごっこ》文・挿画  いのしゅうじ

三匹が撮る!《無題》Dyu Men Su

三匹が撮る!《三池炭鉱万田坑》片山通夫

シリーズ とりとめのない話《鈍行(どんこう・鈍行列車)004》中川眞須良

連載コラム・日本の島できごと事典 その17《まだら節・ハイヤ節》渡辺幸重

Youtubeより

島は閉鎖的だと思われがちですが、島を取り巻く海は世界に通じています。漁業や交易によって島同士・港同士が結びつき、モノだけでなく唄や踊り、祭りも伝わりました。
「♪めでためでたの’若松様よ枝も栄える葉も茂る」という文句をご存知の方は多いでしょう。これはもともと「まだら節」という唄の文句で、佐賀県唐津市の馬渡島(まだらじま)で船乗り唄(漁師唄)として生まれました。これが九州地方で広がり、鹿児島県の「まだら節」、長崎県の「五島列島まだら」「諫早まだら」、佐賀県の「紀州まだら」「伊万里まだら」などになりました。さらに日本海を行き来する北前船や出稼ぎ漁労などによって北上し、石川県の「七尾まだら」「輪島まだら」となり、富山県の「魚津まだら」「岩瀬まだら」「新湊めでた」などとなって各地に広まりました。富山県の国選択無形民俗文化財「麦や節」なども元歌は「まだら節」だといわれています。ところが唄のふるさと・馬渡島では大正年間に伝承が途絶えていました。1999年(平成11年)になって馬渡島婦人会によって80年ぶりの復活を遂げ、本家の意地を見せました。

宴会の席で心地よいリズムで歌い踊るハイヤ節も同じように全国に伝わり、40カ所以上にハイヤ系民謡が残るといわれています。そのルーツは熊本県天草地方の牛深地区で、「二上がり甚句」に奄美「六調」の熱狂的なリズムが加わって「牛深ハイヤ節」が誕生したといわれます。ハイヤは「ハエの風(南風)」のことでハイヤ節を漢字で「南風節」と書いたりします。ハイヤ節も九州に広がり、まだら節と同じルートで北にも伝わって島根県の「浜田節」、京都府の「ハイヤ踊り(宮津)」、新潟県の「佐渡おけさ」「寺泊おけさ」、山形県の「庄内ハエヤ節」、青森県の「津軽アイヤ節」、北海道の「江差餅つきばやし」などへと形を変えました。牛深では毎年「牛深ハイヤ節全国大会」が開催されるそうです。
ハイヤ節の発祥地をめぐっては、牛深のほかに鹿児島(ハンヤ節)あるいは長崎県平戸市田助とする説もありますが、ともかく、コロナ禍にあっても唄を楽しみ、踊りで発散する文化を今後も伝えていきたいものです。