とりとめのない話《素数 他》中川眞須良

素数の説明に[1およびその数自身の外に約数を持たない正の整数]とある。
2-3-5-7-11に始まり無限に存在する。
円周率(π)の3.14159”””を無限に極めていこうとする集団があるのと同様、証明可能な最大の素数を探すことを目的とする集団(企業)があるらしい。 “とりとめのない話《素数 他》中川眞須良” の続きを読む

コラム/日本の島できごと事典《水俣病》フリージャーナリスト 渡辺幸重

[日本の島できごと事典(その3)]水俣病

九州島・水俣湾はメチル水銀に汚染され、1958年(昭和33年)8月から1997年(平成9年)10月までの39年間、封鎖されました。汚染魚が外海に出ないように全長4,400mの大型仕切り網で封鎖線を張ったのです。水俣湾の入り口にある恋路島も閉じ込められました。水俣港では大規模な埋め立てでメチル水銀を閉じ込め、浚渫で汚染土をさらいました。 “公害の原点”といわれ、第二水俣病、四日市喘息、イタイイタイ病と並ぶ日本の4大公害病のひとつ・水俣病の一側面です。恋路島は合戦に出陣した薩摩の武将の妻が夫を想って石を積んだと伝わる無人島で、水俣市は恋路島とその周辺海域を水俣の自然再生のシンボルとして自然体験ツアーなどを催していますが、水俣病患者の苦しみはいまでも続いています。 “コラム/日本の島できごと事典《水俣病》フリージャーナリスト 渡辺幸重” の続きを読む

徒然の章《コロナと付き合った一年》中務敦行

修学旅行や遠足の子供たちで賑っていた東大寺

今年はコロナで明け、コロナで暮れようとしている。例年通り、一月に二つのクラブの写真展を終え、2月からは撮影会の行脚が始まった。しかし感染が広がるにつれて、ほとんどのグループや企業の活動が停止、何もすることがなくなった。 “徒然の章《コロナと付き合った一年》中務敦行” の続きを読む

コラム/日本の島できごと事典《プロローグ》フリージャーナリスト 渡辺幸重

石垣原人

日本は島国です。いくつかの大きな島と多くの小さな島が日本列島を作り、文化を伝えあいながらそれぞれの社会を作ってきました。島は“外世界”からの情報を受けて“内世界”に伝え、同時に中央権力の政策や社会の大きなうねりに翻弄されてきました。小さな島の歴史はあまり知られていませんが、そこには日本の歴史の痕跡がくっきりと残っています。島は日本社会を映す“鏡”であり、「島を見ると日本がわかる」のです。島での“できごと”から「この国はどんな国か」「この国をどういう国にするか」考えてみましょう。 “コラム/日本の島できごと事典《プロローグ》フリージャーナリスト 渡辺幸重” の続きを読む

LAPIZ2020冬号Vol.36びえんと《大坂選手がマスクに込めたBLM》Lapiz編集長 井上脩身

全米オープン試合会場にマスク姿で現れた大坂なおみ選手

大坂選手がマスクに込めたBLM
~差別助長のトランプ発言のなかで~

テニスの大坂なおみ選手が9月12日に行われた全米オープン女子シングルスで2度目の優勝を果たした。その快挙にもまして世界から喝采をあびたのは、黒人差別への抗議を表すマスクをつけてコートに現れたことだ。米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたが、SNSには「黒人優遇運動をテニスに持ち込んだ」などと、彼女を批判する投稿も少なくない。女性差別、被差別部落への差別や在日韓国人・朝鮮人への民族差別などの従来からの差別に加えて、所得格差の拡大にともなう貧困者差別、国際化による黒人差別が日本でも大きな社会問題となってきている。差別の横行を放置してよいのか。大坂選手がマスクを通して問いかけたのは、多様な人々で構成される21世紀社会の中での、人としての在りようだと私は思う。 “LAPIZ2020冬号Vol.36びえんと《大坂選手がマスクに込めたBLM》Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む

LAPIZ2020冬号Vol.36《巻頭言》Lapiz編集長 井上脩身

伊藤詩織さん

 アメリカの大統領選は前副大統領のジョージ・バイデン氏が勝利しました。敗れた現職大統領のドナルド・トランプ氏は、「開票に不正があった」などとして法廷闘争による大逆転を狙っていますが、その悪あがきは世界中から冷笑をかっています。
トランプ氏の敗因はいろいろあるようです。新型コロナウイルスの感染力を軽視したことに加えて、ロシア疑惑、脱税疑惑など、彼につきまとううさん臭さに多くの人たちが嫌気をさしていました。セクハラ疑惑もその一つです。女性票が逃げていくのも当然のことでした
セクハラといえば、アメリカのタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、自らの性暴力被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織さんが選ばれました。性被害を受けたことを公にした勇気と、それによって性暴力告発キャンペーン「♯MeToo運動」を後押ししたことが評価されたとみられています。 “LAPIZ2020冬号Vol.36《巻頭言》Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む

LAPIZ2020冬号 Vol.36《Lapizとは》Lapiz編集長 井上脩身

 

パレスチナの少女

Lapizはスペイン語で鉛筆の意味。(ラピス)
地球上には、一本の鉛筆すら手にすることができない子どもが大勢いる。
貧困、紛争や戦乱、迫害などによって学ぶ機会を奪われた子どもたち。
鉛筆を持てば、宝物のように大事にし、字を覚え、絵をかくだろう。
世界中の子どたちに笑顔を。
Lapizにはそんな思いが込められている。

LAPIZ2020冬号Vol.36 cover story 北 博文 

写真・文 北博文



                                      

「海」

「海は広いな大きいな・・・」と童謡で昔から歌われた広大な青い海、私は神戸市の現在JR垂水駅北側のすぐ傍の実家で生まれ、幼児期は山陽電鉄もJR(旧国鉄)も高架になってなく海に行くときは必ず開かずの踏切を渡って行ったものです。その頃は蒸気機関車D51が長い貨物を引っ張り電気機関車EF58が茶色の客車を8両余り連結していたのを覚えています。小学生の低学年時代、海に行くには国道2号線を南に渡ると海神社の赤い大きな鳥居があって、その下付近から白浜が波打ち際まで20~30mあり木造の小型漁船が何十隻も枕木に乗せられて船底を乾燥させていて、ワカメやじゃこが大きく広げられた筵の上で天日干しされていて生臭い匂いが浜辺全体に広がっていましたね。小学生の高学年から中学生時代は余りにも海が近くにあって行こうと思えば直ぐに行けるとということもあって、関心もなく高校受験への勉強中は常にラジオの深夜放送かビートルズのLPを聞いていました。 “LAPIZ2020冬号Vol.36 cover story 北 博文 ” の続きを読む

鬼夜行夜話 023「名田庄物語」片山通夫

古代中国で祀った北極星と北斗七星を信仰した星祭の場所(名田庄)

福井県おおい町に名田庄という集落がある。もとは名田庄村だった。この名田庄に陰陽道宗家安倍氏の子孫である土御門(つちみかど)家の遺跡が残っている。文献等の史料によれば、応仁の乱(1467)の戦火を避けて所領の当地(中世では名田庄上村)へひきこもり、この地で陰陽道及び、天文・暦・易の三道をつかさどっていたと伝えられる。安倍家は安倍晴明を祖とし、陰陽道・泰山府君を祀る安倍神道が成立したという。若狭とのかかわりは南北朝期の文和2年(1355)に泰山府君祭料として縫殿頭有世に当地を与えられたのが初現とされ(「土御門関係資料」宮内庁)、以後近世初頭まで存続した。有世は名田庄へ隠棲した有宣の曽祖父にあたる人物である。 “鬼夜行夜話 023「名田庄物語」片山通夫” の続きを読む