三匹が撮る!《無題》Dyu Men Su

ジュ・ミョンス(Dyu ・Men Su)1948年、ロシア・サハリン州コルサコフで生まれ。ユジノサハリンスク在住。1976年、イルクーツク(Irkutsk)芸術大学卒業、1989年、ロシア画家同盟会員、2013年、ロシア画家同盟より「創作活動の成功及びロシア芸術発展へ貢献したものに送る賞」を受賞。2014年、ロシア連邦功労画家称号を受ける。
主な展覧会
国内:Yuzhno―Sakhalinsk, Omsk, Yakutsk, Khabarovsk, Tomsk, Moscowなど多数。
海外:北京、札幌、山形、ニューヨーク、アイランドなど多数。
Sakhalin州立美術館、Khabarovsk州極東美術館, Tomsk州立美術館に作品収蔵。

時代をみる《「恐怖のアベ政治(軍事大国化)」の検証と非戦の道へ》渡辺幸重

読者の皆様へ

<渡辺幸重(わたなべゆきしげ):ジャーナリスト>

 安倍首相辞任のニュースをどのような気持ちで見ておられたでしょうか。報道では「道半ば」としてやり残したことが多いようなニュアンスですが安保法制や解釈改憲、日米軍事同盟強化、兵器爆買い、南西諸島自衛隊配備などいつ戦争になってもおかしくない状況は完成しつつあります。この機会に『ちきゅう座』に以下の記事を書かせてもらいました。
ご意見を下記までいただければ幸いです。
メールアドレス
info*609studio.com
*を@に変えてください。

初出 『ちきゅう座』
http://chikyuza.net/archives/105412
◎『ちきゅう座』(http://chikyuza.net/“時代をみる《「恐怖のアベ政治(軍事大国化)」の検証と非戦の道へ》渡辺幸重” の続きを読む

とりとめのない話《俳句ななめ読み3》中川眞須良

2020年,この夏は特に暑い、とにかく暑い。高温多湿のいわゆる猛暑日が何日続いていることか、もう9月に入ったというのに・・・・・。
長年「人間」をやっているがこんな夏は記憶にない。
気象台は「高気圧の二段重ね」がその要因とか, いいかげんにして欲しい、おまけにコロナである。
こうなればどうしても在宅時間が多くなってしまうのは仕方のないことであろう。
しかしこれらの悪条件下の夏、半分は年の功だろうが私なりに退屈せず時間を過ごす術を心得ている。 “とりとめのない話《俳句ななめ読み3》中川眞須良” の続きを読む

とりとめのない話《俳句ななめ読み2》中川眞須良

万緑と死

2020年2月、WHO(世界保健機構)から新型コロナウイルス流行に関して世界に「非常事態宣言」が出された。
事の重大さを考えればそれに対する世界各国、日本、および各自治体等の対応のしかたは事情が異なるなかで当然であったと言えるが、このニュースに関し予想される多くの事柄をプラス、さらに色付けして何度も繰り返し報道するマスコミの姿、さらにその内容に慌てふためき物販店に開店時間前から日用、食料品の買い占め?のために列をつくる人々の光景に、ある種の不安、不気味さ、そして少しの恐怖感を覚えたのは私だけであろうか。 “とりとめのない話《俳句ななめ読み2》中川眞須良” の続きを読む

読切連載《アカンタレ勘太》5-2 作・画 いのしゅうじ

夏の思いで

夏の思い出

夏やすみもあと五日。
勘太はしゅくだいの「夏やすみのおもいで」の絵をまだいかいていない。あわてだした
画用紙とクレヨンをとりだし、頭にうかんだ順にまとまりもなくかきだした。
さいしょにながれ星。画用紙のいちばん上にかいた。その下にアラカンの白馬。保津峡でのキャンプをおもいだし、じょうき機関車をグレー色であらわす。川をえがこうとして、川なら天の川をにしようと考えなおす。いちばん白にカヤをかきいれた。
二学期がはじまり、みんながそれぞれの「夏やすみのおもいで」の絵をだした。海や山、花火、おばあちゃんの里。どれもこれも元気があふれている。 “読切連載《アカンタレ勘太》5-2 作・画 いのしゅうじ” の続きを読む

読切連載《アカンタレ勘太》5-1 作・画 いのしゅうじ

カヤのキャンプ

カヤのキャンプ

勘太のおとうさんが、つとめ先のがっこうから久しぶりに帰ってきた。
かぞくみんなで夕食をかこむのは二カ月ぶりくらいだ。
おとうさんが思いがけないことをいいだした。
「キャンプに行こう」
「うちにはテントがありません」
おかあさんはバカバカしいという顔だ。
おとうさんは、
「古いカヤ(蚊帳)がまだあるはずじゃ」
と、さぐるような目でおかあさんにたずねる。
「せんそう中に使ってた四畳半用のこと?」
「そのカヤをテントにするんや」
おとうさんは四、五日前、教え子の一家が河原でカヤをはっているのを見かけた。
「何してるの?」ときくと、「キャンプです」と元気なこたえ。子どもたちの目はキラキラしている。
よし、わが家でもやってみよう。
「と思ったんや」
おとうさんの話に勘太がとびついた。
「ぼくもキャンプやりたい」
二人のおにいさんも、
「キャンプして泳ぐんや」
とすっかり乗り気。
おかあさんとおねえさんは、「日帰りなら」と、しぶしぶさんせいした。
つぎの日、下のおにいさんの淳吉が図書館から「お手ごろキャンプ場」という本をかりてきた。
保津川のページに「亀岡と嵐山の間の渓谷。舟がくだるのにあわせて、じょうききかん車がはしる」と書いてある。
「ここがええ」
その日の夕食のとき、みんなで計画をたてた。
ご飯はハンゴウでたく。ハンゴウはせんそう中、万一のためにと用意しておいたものだ。いまは床下に二つころがっている。お風呂にくべるまきをできるだけ細くしておく。
問題はおかず。勘太は「カレー」といったが、おかあさんは「肉がくさる」と受けつけない。けっきょく、おかずは梅ぼしだけ。
カヤはおとうさんがリュックにつめる。お米とハンゴウは上のおにいさんの康弘、まきは淳吉、勘太の小さなリュックにはみんなの水着。
途中でスイカを買っておかあさんとおねえさんがさげていく。
キャンプ当日、朝五時におきた。
京都駅から山陰線に乗り、保津峡駅でおりる。二十分ほどで保津川の谷間にとうちゃく。
大きな岩がごろごろしている。その間を水がゴウゴウと流れ、波の頭がびりりっとくだける。
川べりに四本の木が四畳半くらいのスペースをあけて立っている。ここでカヤをつってくれ、と言ってるみたいに。
みんなでカヤをつりおえた。
そこは草っ原だ。さっそく勘太は寝ころがる。
おねえさんはハーモニカをふきだした。
淳吉はカヤをつってる木にこげ茶色の虫がいるのを見つけた。「カブトムシや」とこうふんしている。
康弘は石をつみあげてカマドをつくり、ハンゴウのよういをはじめる。
やがてハンゴウがぶつぶつあわをたてだした。
「皿にする石さがしてこい」
康弘に命じられて、勘太はたいらな石をひろいにいく。
「できた」
康弘の声で、カヤの中にいたおとうさん、おかあさん、おねえさんもハンゴウのまわりにあつまった。
康弘と淳吉が、あつあつのハンゴウのふたをあけ、ごはんをひっくり返す。下の方はおこげばかり。
「ま、これがキャンプや」
おとうさんはニコニコして、石の皿におこげをもった。
向こう岸にじょうききかん車が、
ゴッゴゴッゴ
と、あえぎあえぎ、ゆっくり走ってきた。もわもわとはきだす煙が川をはっていく。
列車の窓から子どもが手をふっている。勘太くらいの男の子だ。勘太も両手をふってこたえる。
スイカを川に冷やしていると、舟がくだってきた。バシャッとしぶきをあげて勘太たちのそばをとおる。
「カヤでキャンプしてるやん」
舟の客たちも「がんばりや」と手をふっている。 “読切連載《アカンタレ勘太》5-1 作・画 いのしゅうじ” の続きを読む

Oikoの眼《住吉祭》村島吉彦 


摂津国一之宮
全国の住吉神社の総本社

古くは摂津国 (せっつのくに=大阪府北西部と兵庫県南東部を占める旧国名) の中でも、由緒が深く、信仰が篤い神社として、「一之宮」という社格がつけられ、人々に親しまれてきました。昭和21年までは官幣大社であり、全国約2300社余の住吉神社の総本社でもあります。(住吉神社ホームページ)

 

 

鎮座 神功皇后
摂政11年(西暦211年)三韓征伐を行ったといわれている。

 

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小田 真 ドローンの世界「夏」

沖縄《「慰霊の日」に思う》童話にみる沖縄のこころ 文 井上脩身

『月と珊瑚』(講談社)の表紙

  沖縄戦が終結して75年を迎えた「慰霊の日」の6月23日、「沖縄全戦没者追悼式」が沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で行われた。玉城デニー知事は辺野古基地の建設が進められている大浦湾について、「絶滅危惧種262種を含む5300種以上の生物が生息しているホープスポット」と述べ、希望の地が戦争という血みどろの地になることへの強い危機感を表明、「沖縄のこころ」を前面に押し出した。わたしはたまたま童話作家、上條さなえさんの、沖縄を舞台にした『月と珊瑚』(講談社)を読んでいるところだった。主人公の女の子は、「沖縄は血と涙と珊瑚礁でできた島」と知る。その島のサンゴは破壊され、辺野古の島として、しまびとの血と涙が流れかねない瀬戸際にたっている。この本は今年度の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書だ。多くの子どもがこの本を読むだろう。「沖縄のこころ」とは何だろう。子どもたちには『月と珊瑚』から自分なりに何かを感じとってほしい、と私は願う。 “沖縄《「慰霊の日」に思う》童話にみる沖縄のこころ 文 井上脩身” の続きを読む