千夜一夜物語《屋久島001》片山通夫

  屋久島は1993年12月11日、白神山地とともに日本初の世界自然遺産として正式に登録されました。 特に「標高による連続植生、植生遷移や暖温帯の生態系の変遷等の研究における重要性を持つこと」や、 「ヤクスギを含む生態系の特異な景観を持つこと」などの特徴が、学術的に大きな価値をもつものとして評価されました。世界自然遺産登録が素晴しい事であるのは言うまでもありませんが、遺産前、更には昭和39年の国立公園指定以前から、 屋久島を訪れた植物、動物学者達は「類を見ない島」「人類の至宝」と評価しています。
「連続植生、生態系変遷の重要性、生態系の特異景観が素晴しい」等と言葉を並べるよりも 「世界自然遺産である」と一言でその素晴しさを表現できるように、 屋久島にとっての「世界自然遺産」は、名詞ではなく形容詞である、と言えるのです。(屋久島観光協会HP)

 

千夜一夜物語《一休寺》片山通夫

伝・墨渓筆『一休宗純像』(奈良国立博物館所蔵)

 

 

京都の南、いわゆる洛南に京田辺という木津川沿いの古い町がある。南には明日香、平城を望んだ、木津川の水運を頼りに朝鮮半島や大陸を見た。結構な田舎町だが当時は国際的な町でもあったようだ。そんな地に一休禅師が住んだ酬恩庵がある。折からのコロナ禍で観光客はほとんどいなかった。

 

 

 

春の宵物語《流氷に近い駅》片山通夫

網走から釧路へJR釧網本線が200分前後をかけて走っている。3時間半程度かかる計算だ。網走を出てしばらくすると、オホーツク海に沿って南下する。途中に北浜という駅がある。ホームはオホーツク海に面している。何もないが何もないところがすばらしい。 蛇足ながらここあたりは北緯44度らしい。 “春の宵物語《流氷に近い駅》片山通夫” の続きを読む