春の宵物語《春宵一刻値千金》片山通夫

先月「冬の夜の昔話」でアイヌ民族の小史のそれもほんの一部をのぞき見してきた。Lapiz春号では「春の宵物語」で一献傾けながら、うつらうつらと思うがままに綴ってみたい。

「春宵一刻値千金」という言葉がある。

春夜  蘇軾

春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈

蛇足をさっそく・・・。

春宵(しゅんしょう)一刻(いっこく)直(あたい)千金(せんきん)
花に清香(せいこう)有り月に陰有り
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細(さいさい)
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈(ちんちん)

春の夜のすばらしさは、ひとときが千金にもあたいするほど貴重なものだ。
花には清らかな香がただよい、月はおぼろにかすんでいる。
高殿から聞こえていた歌声や管弦の音は、
先ほどまでのにぎわいも終わり、今はかぼそく流れるばかり。
人気のない中庭にひっそりとブランコがぶら下がり、夜は静かにふけていく。

こんな意味だそうだ。

ただ本編は漢詩を説こうというのではない。

春の宵の戯言を綴って行こうということ。

特集「あれから10年」予告

地震で止まった学校の時計。2011年(平成23年)3月11日(金)14時46分18.1秒 仙台市で撮影

 

 

春号の特集は「あれから10年」をテーマにお届けします。ご期待ください。

Lapiz 2021春号《巻頭言》井上脩身編集長

ジョン・ウェインもびっくりトランプ西部劇

大統領選の投票の際、銃で武装するトランプ支持者 (ウィキペディアより)

私が所属している川柳の同好会の昨年11月の句会に投句した拙作です。11月3日に行われたアメリカ大統領選の投票に際し、バイデン支持者を威嚇しようと、熱狂的トランプファンが投票所周辺で銃を構えていました。その様子を伝えるテレビを見て、「まるで西部劇」と19世紀的現実に目を丸くしました。川柳らしくするためにジョン・ウェインを引っ張り出したところ、先生は「おもしろい」と入選作にしてくれました。 “Lapiz 2021春号《巻頭言》井上脩身編集長” の続きを読む

LAPIZ2021春号 Vol.37《Lapizとは》Lapiz編集長 井上脩身

パレスチナの少女

Lapizはスペイン語で鉛筆の意味。(ラピス)
地球上には、一本の鉛筆すら手にすることができない子どもが大勢いる。
貧困、紛争や戦乱、迫害などによって学ぶ機会を奪われた子どもたち。
鉛筆を持てば、宝物のように大事にし、字を覚え、絵をかくだろう。
世界中の子どたちに笑顔を。
Lapizにはそんな思いが込められている。

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