2018春号《原発を考える》井上脩身

原発国日本に迫る火山の恐怖
―襲いかかる火砕流と火山灰―
広島高裁は昨年12月13日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、「阿蘇山の火砕流が敷地に到達する可能性が十分小さいとはいえない」として、運転差し止めを命じる決定を下した。阿蘇山から同原発は130キロ離れているが、野々上友之裁判長は「過去最大の噴火を想定すべきだ」と指摘し、「原発立地として不適」と判示した。我が国のいずれかの火山が大規模噴火を起こした場合、火砕流にとどまらず、火山灰が数百キロ先に降り注いで原発の運転に影響する恐れがあると指摘されている。自然の猛威は人知をはるかに超えるものであることは、東日本大震災による大津波で証明された。我が国は地震国でありかつ火山国である。全ての原発を廃止する以外に噴火の恐怖から逃れるすべがないことは歴然としている 。 “2018春号《原発を考える》井上脩身” の続きを読む