原発を考える「飯館村を漆特産の古里に」井上脩身

福島県飯舘村の村議会議員、佐藤健太氏(写真)が2019年12月15日、大阪で開かれた「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」の集会で講演した。演題は「全村避難を強いられた村――飯舘村の8年とこれから」。佐藤村議は自然が豊かな美しい村の人たちが、福島第一原発の事故によって避難を余儀なくされた実態や除染状況、原発に頼らない再生エネルギーの現状などを説明したあと、復興事業の一つとして自ら先頭に立って取り組んでいる漆生産について報告した。福島原発事故からまる9年がたったが、村内居住者は事故前の20%に過ぎない。8割の人が古里に戻らない理由の一つに畜産業以外にこれといった産業がないことがある。その畜産では放射能汚染の不安を拭い去ることができず、いまだに見通しがたたないのが実態だ。そうしたなか、漆を新たな特産物にしようというのである。まだ夢の域を脱していないが、「脱原発」の村づくりへの挑戦が注目されている。 “原発を考える「飯館村を漆特産の古里に」井上脩身” の続きを読む