連載童話《のん太とコイナ[天の川]#7》文・画 いのしゅうじ

 ジェットコースターから転落しかかったのん太。コイナがおなかのヒレを使って助けたのはいうまでもありません。

コイナはおばあさんが待つ里の山にむかいます。

途中、高い山がそびえています。雪がたっぷり残っていて、若者たちが春スキーを楽しんでいます。

コイナはスキー場でのん太をおろしました。

のん太はスキーははじめてです。

「初心者コースに行かなきゃ」

とコイナが言ったのに、のん太が、

「せっかく雪山に来たんだ。山らしいところに行きたい」

というので、ベテランむけのコースにつれていきました。

のん太が雪の斜面に降りたったちょうどその時、頂上の近くでグワーッと大きな地響きがおこりました。

雪のかたまりが渦を巻き、雪けむりをあげて、猛スピードで真上からおそってきます。

コイナは万一にそなえていました。あわやというところで、のん太はなだれからのがれることができました。