毒ガスの島の廃虚尋ねる
~地図から消えた「もう一つの広島」~
文・写真 Lapiz編集長 井上脩身
小さな書店の片隅の壁に「大久野島の歴史展」の宣伝チラシが張られていた。「もうひとつの広島」の副題がついている。主催は「毒ガス島歴史研究所」。今年1月4日から7日まで旧日本銀行広島支店で開催とある。50年前、私が新聞社に入社して配属された支局に赴任したとき、いきなり支局長が語った言葉を思い出した。前任地の呉支局で「大久野島での毒ガス製造をスクープした」というのだ。私はたまたま今年初めに尾道に旅をする計画を立てていた。予定を変更して大久野島の「もうひとつの広島」を訪ねた。 “編集長が行く 広島県竹原市・大久野島” の続きを読む