Lapiz2019冬号《びえんと》井上脩身編集長

令和元年と昭和3年
~共に遠くで軍靴が聞こえる年~

 令和の時代が幕を開けた今年、ラグビーワールドカップでの日本チームの活躍に沸き、来年の東京オリンピックへの期待が高まっている。明るい未来が約束されているかのようだ。そういえるのか。9月24日の毎日新聞夕刊に気になる特集記事が載った。見出しは「今は昭和3年に酷似」とある。昭和3年は西暦でいえば1928年。91年前である。そういえば10月に天皇の即位礼の儀式が行われたが、昭和天皇の即位礼が営まれたのも昭和3年だった。その13年後の1941年に太平洋戦争が始まっている。酷似とは、「戦争前の時代」ということなのであろうか。

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