宿場町シリーズ《山陰道・樫原(かたぎはら)宿 上》文・写真 井上脩身

蛤御門の変の3志士竹やぶに眠る 

蛤御門の変(禁門の変)が起きた京都御所の門

阪急の桂駅(京都市西京区)からバスで老ノ坂峠に向かう途中、古い町家が建ち並ぶ街を通った。後で調べると、樫原(かたぎはら)という旧山陰道の宿場であり、幕末の動乱の渦のなかで起きた蛤御門の変(禁門の変)のさい、ここで長州勢の3人が非業の死をとげたと知った。老ノ坂峠は平安時代の伝説「大江山の鬼退治」の舞台とされ、私はその現地をたずねようとしていたのだった。幕府にとって、長州は鬼だったであろう。時代が変わると、退治されるはずの鬼が鬼神にまつりあげられることはよくある。この3人はどうであったのだろうか。 “宿場町シリーズ《山陰道・樫原(かたぎはら)宿 上》文・写真 井上脩身” の続きを読む