のん太とコイナ2《空中ブランコ002》いのしゅうじ

 食卓に開いたまま置いてある新聞を、のん太がなにげなくのぞくと、思いがけない広告がのっていました。
「世界初、こいのぼりの空中ブランコ」
大きな活字がおどっています。ニクマレサーカスの宣伝です。一週間後、アカダ川公演でオープンとあります。
コイナのお父さん、お母さん、弟ではないのか。
三人の親子こいのぼりが里に帰らなくなって半年になります。空中ブランコのくんれんをさせられていたにちがいありません。そのおひろめなのでしょう。
公演初日、のん太は妹のみどりを連れて、サーカスを見に行きました。
ニクマレサーカスはできて間なしの一座です。動物をこわがらせて技をたたきこんでいる、と動物あいご団体からきびしく批判されているそうです。
のん太とみどりが大テントの会場にはいると、舞台ではゾウさんが大きなボールにのって曲芸をしていました。
ゾウさんのうしろで団長がムチをふりまわしています。(明日に続く)