のん太とコイナ2《空中ブランコ001》いのしゅうじ 

天の川をすぎると、コイナはぽつりともらしました。
「お父さん、お母さん、弟を助けたいの」
そういえば、コイナの里にいたのはおばあさんだけでした。
さいしょにいなくなったのは弟のコイキチ。
「弟は里の山の向こうがどうなっているか、知りたがってた」
お母さんに「行っちゃダメ」とつよく言われていたのに、「探検するんだ」と出かけ、帰ってこなくなったのです。
コイキチをがしに行ったお母さんのコイシも、お母さんと弟をさがしに行ったお父さんのコイゾウも帰ってきません。
しくしく泣きながらそう話したコイナ。
「町に行けば何か手がかりを見つかるかも、と思ったの」
そして、「都会の高いビルの屋上で、こいのぼりが投げなわでとらえられた」といううわさを耳にしたのでした。
「犯人はサーカスの団長らしいの」
屋上にこいのぼりをあげて、おびきだしたらしいのです。
「コイキチは友だちがいると思ったんだわ」(明日に続く)