秋の夜長に聞く話《鳥居(とりい)の謎 002》片山通夫

苗秀寺の鳥居、上に鳳凰の原型ベニコンゴウインコ

《「鳥居」になぜ鳥が居ない? 鳳凰を載せ、鳥居の原形イメージの石門新設 》という新聞記事を見つけた。
2021年8月19日付けの京都新聞だ。
なんでも京都・亀岡市にある苗秀寺(みょうしゅうじ)で、鳳凰のモデルとなったベニコンゴウインコ像を載せた門が出来たという。下に挙げる記事だ。

同寺東堂(前住職)の大谷俊定さん(76)は、子どものころから「鳥居」と呼ぶのになぜ「鳥」が載っていないのか疑問に思ってきた。調べると諸説あるが、ギリシャやインドでは鳥居のような形の門があり、中国雲南省には極楽から来た鳳凰の止まり木として木製の鳥居のような門があった。日本でも江戸時代まで、鳥居は寺の門として結界の役割を果たしてきたという。
 これらのことから大谷さんは、鳥居は元々は鳳凰を載せ人々の極楽安穏を願う門だったとみて、境内の福聚(ふくじゅ)観音を祭る観音堂の門として新設することにした。(中略)今秋の晋山式で完全に住職を退く予定の大谷さんは「観音様の前に本来の意味の鳥居を建立し、人々の平安や幸せ、新型コロナウイルスの終息を願いたい」としている。門上の赤、黄、青で彩られた石像は特殊加工により20年は色あせないという。

ここでは鶏ではなく鳳凰であり、その原型だといわれるベニコンゴウインコ。南の国の鳥だけあって、色のきれいな鳥だ。あの鳳凰の原型とはとても思えない色彩だ(写真)。