怒りを込めて振り返れ《新疆ウイグル地区や台湾から目を離せない》一之瀬明

中国・新疆地区における少数民族への「弾圧」に対し、国際的な批判が起きている(イスタンブール、2月26日)

世は総選挙一色である。現与党が衆議院を制するかと国民の注目が集まっている。各党とも「ばらまき」を公約に挙げている。特に自民党や公明党、つまり現与党の連中が口をそろえて言っているのがおかしい。それならこの2年の間に、つまりコロナ救済でアベノマスクで何百億も使い、たった一度10万円給付で口を濁ごさず早めに手を打ってほしかったと思うのは私だけ?

話は変わる。コロナの影響とは思わないが、世の中ギスギスしているように見える。イラクやイランなどの国が、何年も前からいがみ合っているのはともかく、(いやそれも問題だが)中国が、香港の制圧に自信を深めたのどうかは知らないが、台湾に過度の干渉をしてきた。理由は香港と同様の「一国二制度」を押し付けようとしていることが原因。コロナの対策でWHOに台湾を参加させる、させないで揉め、台湾がワクチンを入手出来ないように妨害し、挙句中国製のワクチンを押し付けようとし、別の局面で台湾から輸入していたパインの輸入を止めるというとても大人(たいじん)とはかけ離れた振る舞いをしてきた。

一体、これは何が原因なのか筆者なりに考えてみた。
一つは新疆ウイグル地区の問題。中国国内でおそらく問題になっているのではないか?アムネスティの報告によると「中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」とBBCは伝えた。
⇒ https://www.bbc.com/japanese/57437638

また、中国はアフガンと国境を接している。アフガンのタリバンは厳格なイスラムだ。新疆ウイグル地区の人々はイスラム教を信じている。そして中国は基本的に信教の自由を建前としているが、決して寛容ではない。単純な話、タリバンからの浸透は棄権だと中国は感じているはずだ。そうでなくとも、アルカイダやISなどもアフガンに潜んでいるだろう。中国にとっては単に新疆ウイグル地区の人々との国内問題ではない。
中国国民の眼を台湾に向けることで国内の問題をコントロールしようとしているだけだ。今後、台湾同様、この地域も決して目を離せない。