カバーストーリー《4代目 池田 良一さん》中川眞須良

池田刃物製作所
4代目 池田 良一(いけだ りょういち)1972年生まれ

 堺市堺区北庄町1丁に仕事場と住居を構える。高校卒業後すぐ先代刀匠である父・辰男氏に師事。2003年島根県奥出雲で行われた全国試験で刀匠の資格を取得し、伝統工芸士と合わせ2つの称号を持つ堺市内でも数少ない鍛冶屋である。
日常の作業は、鉄と鋼を合わせて打つ鍛接工法による行程が中心である。しかし得意先からは何故か特殊品(小さめの小刀、ペーパーナイフなどの別注品)の製作依頼が多いとか。
「注文があれば可能なものはなんでも作ります。」と。
撮影の後、仕事に対する主義、信条のようなものがあれば?の問いかけに、「私はこの世界ではまだまだ中堅、この年で自分の仕事観のような事を口にするのは時期尚早、口幅ったいです。あと30年ほど先に、自信を持って言えるようになっていれば・・・」
この時大きく目を見開いて、初めてわずかに笑みがこぼれた。